
岡安を飛び出して、京都にたどり着いた竹井千代(杉咲花)。本格的に女優を志すようになった矢先に現れたのが、女性ばかりの一座を率いる山村千鳥(若村麻由美)だった。2人のやりとりが大きな話題となった1月4日(月)~8日(金)のNHK連続テレビ小説『おちょやん』を振り返ろう。
女優を目指し始めた千代と山村千鳥の出会い
京都に着いた千代は、その日から住み込みで働けるというカフェー「キネマ」へ。キネマは、活動写真好きの宮元潔(西村和彦)が店長を努め、女優を目指す女給たちが揃う、ちょっと変わったお店だった。
千代は富山なまりが強い真理(吉川愛)とすぐに意気投合し、仕事のやり方などをいろいろと教わった。岡安とはまったく違うカフェー(キャバレーの元祖)の仕事に驚くが、酒に酔ってイチャモンをつけてきた客を見事にあしらい、真理を助ける活躍を見せる。
それを見ていた黒木(ヨシダ朝)という東京の活動写真会社の社長から、千代は「これからつくる活動写真に出てみないか」と誘われる。
黒木の誘いを一度は断るが、真理との話で「女優になったら、行方知らずとなった弟のヨシヲと会えるかもしれない」と知り、女優になることを決心。出資者へのあいさつまわり、キネマへの報告を済ませたところで、新聞を手に駆けつけたボーイ(満腹満)から、黒木が詐欺罪で逮捕されたことを知らされる。
千代は、女優になれると有頂天になった自分を恥じた。
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黒木の事件から数日後。お昼頃に目を覚ました千代は、店長の宮元から先輩女給で人気ナンバー1の洋子(阿部純子)と真理は女優の試験に行っていると聞く。そして、その日の営業時に2人が役をもらえたことを知ると、千代は複雑な気分に。終業後、仕事に身が入らなかった千代は自分に活を入れて、キネマのメンバーに自分も女優を目指すと宣言した。
翌日から、女優の試験を受けようと撮影所に通い始めるが、門前払いを受け続ける千代。それを見かねた真理が、「山村千鳥一座」の座員募集チラシを渡した。
早速、試験を受けることにした千代。試験場では、すぐにセリフを覚えて座長の千鳥を驚かせるが、演技は落第点。あまりにもひどい演技で千鳥をあきれさせるが、千代は奇跡的に合格して、翌日から通うことになった。
千鳥に直接稽古をつけてもらえると思って浮かれていた千代だが、実際には千鳥の身の回りの世話役だと知り、気を落とす。そこで千代は、身の回りの仕事が終わって時間ができた際には、稽古をつけるという約束を取り付けた。
千鳥から渡された手帳には、膨大な量の雑用が書かれていた。中には「四つ葉のシロツメクサを探す」など、意味のわからないものも。また、稽古場へ行く道中に黒猫が横切ったから道を変えたり、稽古中、座員たちに罵声を浴びせたりモノを投げつけたりするなど、やりたい放題の千鳥に千代は不信感を募らせていった。
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ある日、座員の清子(映美くらら)が千鳥を訪ねてきた。客入りが悪く、劇場から打ち切りを迫られているため、人気の漫画を基にした芝居をやらないかという相談だった。芝居用に書いた台本を渡すが、千鳥は一蹴して、台本を庭に投げ捨てた。