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渡辺陽一郎「いちばん詳しい『人気の新車』完全ガイドシリーズ」

スバルの新型レヴォーグ、なぜ人気沸騰?高評価のポイント&購入時の注意点を全解説

文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト
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新型レヴォーグ | SUBARU – スバル」より

どんなクルマなのか?

 クルマ好きの間で、今、最も高い人気を得ている車種がスバルレヴォーグ」でしょう。「レガシィツーリングワゴン」の後継に位置付けられるミドルサイズのワゴンで、2020年10月に2代目の現行型へフルモデルチェンジされました。エンジンは水平対向4気筒1.8Lターボで、全車が4WD(4輪駆動)システムを搭載しています。

人気を得ている理由

 人気を得ている一番の理由は、走りの良さです。ステアリング操作に対して車両が正確に反応するため、運転感覚が上質で一体感も味わえます。下り坂のカーブで危険を避けるようなときでも車両の挙動が乱れにくく、スポーティで楽しい走りと安心感を両立させました。ボディ剛性が高く、足まわりがなめらかに伸縮するから乗り心地も快適です。

 そして、全長は4755mm、全幅は1795mmですから、混雑した街中でも運転しにくく感じることはありません。そのわりに車内は広く、前後席ともに居住性は快適です。インパネなどの内装も上質につくり込みました。

 衝突被害軽減ブレーキは進化して、右左折するときでも直進車や歩行者に対応します。運転支援機能ではアイサイトXも採用しました。自動車専用道路における渋滞(時速0~50km)では、アクセルとブレーキに加えてステアリングも制御され、手離し運転も行えます。

 なお、現行レヴォーグは国内向けのワゴンとして開発されました。そのためにボディサイズから運転感覚、内装のつくり、安全装備、運転支援機能まで、すべてが日本のユーザーにとってなじみやすく、高い人気を得られています。

気になる8つのポイントチェック&星取り採点

(1)居住空間の広さとシートの座り心地

★★★★☆

 前席はサイズに余裕があり、背中から大腿部をしっかりと支えます。後席は頭上と足元の空間が広いです。

(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ

★★★☆☆

 ミニバンと違って自転車のような大きな荷物は積めませんが、ワゴンとしては広くて使いやすいです。

(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ

★★★☆☆

 ボディサイズは適度ですが、ななめ後方の視界は先代型に比べて少し悪化しました。小回り性能は良いです。

(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性

★★★★★

 峠道でも適度に良く曲がって旋回軌跡を拡大させにくいです。後輪の接地性も優れ、高い安定性も魅力です。

(5)乗り心地と内装の質感などの快適性

★★★★★

 インパネやシートなどの内装は上質です。乗り心地も段差を通過したときの突き上げ感を抑えて、常に快適です。

(6)燃費性能とエコカー減税

★★★☆☆

 WLTCモード燃費は13.6~13.7km/Lです。動力性能が高い代わりに、燃料消費量も増加しやすいです。

(7)安全装備の充実度

★★★★★

 自車が右左折するときの反応を含めて、衝突被害軽減ブレーキは優秀です。歩行者保護エアバッグも備えています。

(8)価格の割安感

★★★★☆

 価格は高めですが、ターボエンジン、4WD、先進的な安全装備や運転支援機能の搭載を考えると納得できます。

選ぶときに確かめたい3つのメリット

・自然な操舵感や粗さを抑えた快適な乗り心地を、街中の走りで確認しましょう。

・ボディサイズは適度で、後席も広く、荷物の出し入れがしやすいです。

・衝突被害軽減ブレーキが先進的で、運転支援機能は手離しも可能です。

後悔しないための3つの要チェックポイント

・先代型の2Lターボに慣れていると、現行型の1.8Lターボは少しパワー不足です。

・ななめ後方と真後ろの視界が悪化したので、購入前に縦列駐車を試しましょう。

・アイサイトX装着車は、価格が最も安いGT・EXでも348万7000円に達します。

こんなユーザーにおすすめ

 レヴォーグはワゴンなので荷室の使い勝手が良いですが、ミニバンに比べれば狭いです。後方が見えないほど荷物を積まない限り、積載容量はセダンと同程度です。従って、実用性に配慮したものの、基本的なメリットは低重心による走行安定性と快適な乗り心地になります。

 そうなると、上質な走りを楽しみたいユーザーにピッタリです。後席が広く、4名乗車に適しているので、ファミリーにも向いています。安定性が高く運転支援機能も充実させたので、高速道路を使って長距離を移動する用途でも使いやすいでしょう。全車が4WDを備えるので、雪道を走る機会の多いユーザーも安心です。

今後のモデルチェンジ予想

 発売されたのが2020年の末ですから、当分の間、規模の大きなモデルチェンジは実施されません。それでも、アイサイトGT・EXをベースに、18インチアルミホイールなどを割安に装着した特別仕様車を設定する可能性はあります。

 また、「レガシィアウトバック」が大型化された今、レヴォーグをベースに最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)を高めるなど、外観をSUV風に変更した派生車種があると、多くのユーザーから喜ばれるでしょう。

 エンジンについては、1.8Lターボに「フォレスター」などが採用するe-BOXER(ハイブリッド)を組み合わせると、燃費効率を向上できます。今後の発展に期待したいです。

最近の販売状況と安く買うための商談方法

 売れ行きは堅調に推移しています。スバルは販売店の数が限られ(トヨタ4系列合計の約10%)、レヴォーグは高価格車でもあるから爆発的な売れ行きではないですが、1カ月に3000台前後に達します。

 実質的にライバル車は不在ですが、同じ価格帯に属する「ハリアー」などと条件を比べる方法はあります。値引きだけでなく、下取り車があるときは、その売却額の上乗せも相談しましょう。

リセールバリュー/数年後に売却するときの価値

 新型車なので、3~5年後に売却しても、中古車の流通台数はあまり多くありません。そのためにワゴンとしては高値で売却できます。スバルの残価設定ローンでも、3年後の残価率(新車価格に占める残存価値の割合)を51%に設定しています。セダンやワゴンの場合、一般的には42~45%なので、レヴォーグは売却時の条件が良いと考えられます。

これが結論!/このクルマの総合評価&コメント

★★★★☆

 ワゴンの車種数は、今は激減しています。トヨタ「カルディナ」、日産「ステージア」、ホンダ「アコードワゴン(ツアラー)」などは、すべて廃止されました。日本ではミニバン、北米ではSUVが人気を高め、ワゴンの需要を奪ったからです。

 しかし、メルセデスベンツやBMWなどの欧州車には今でもワゴンが豊富に用意されて、日本でも購入できます。欧州では日常的に高速走行の機会が多く、荷物を積む場合でも、低重心で安定性の優れたワゴンが好まれるからです。

 レヴォーグの魅力も、まさにこの点にあります。ワゴンの特徴とされる低重心を生かし、安定性と乗り心地を向上させました。レヴォーグの商品開発にはスバルというメーカーの考え方も色濃く反映され、アイサイトの進化を含めて、典型的かつ最も先進的なスバル車に仕上げています。

 ミドルサイズのボディは扱いやすいですが、後方視界はいまひとつなので、購入前に車庫入れなどは試しておきましょう。ターボエンジンは、回転が上昇するにつれて加速感が活発化します。開発者は「ターボの特徴を少し強めに表現した」と述べていますが、ユーザーによっては違和感が生じることがあるかもしれません。こういった点は、すべて街中の試乗で確認できます。

 推奨グレードは、アイサイトX装着車です。最も買い得なグレードはGT・EX(348万7000円)で、スポーティな運転感覚やデザインが好みなら、STIスポーツEX(409万2000円)も検討しましょう。

(文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト)

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

1961年生まれ。神奈川大学卒業。1985年に自動車雑誌を中心に扱うアポロ出版株式会社に入社。その後、同社で複数の自動車雑誌やアウトドア雑誌を手掛け、1989年に自動車購入ガイド誌「月刊くるま選び」の編集長に。1997年にはアポロ出版株式会社の取締役も兼任。2001年6月に40歳を迎え、同月に「カーライフジャーナリスト」の肩書でフリーランスに転向。

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