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ヨドバシカメラ、都心の巨艦店に客が来なくても快進撃のカラクリ…店舗→ネット移行に成功

文=編集部

 リンクス梅田の年商は500億円を見込む。マルチメディア梅田と合わせて計1700億円という高い目標を掲げた。マルチメディア梅田とリンクス梅田を合わせた売り場面積は約9万平方メートル。阪神甲子園球場の2.4個分の広さを誇る。

 ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は昭和氏を「商売の師として尊敬している」と語っている。「リンクス梅田」の開業セレモニーでも似鳥氏が挨拶をした。

断トツのヨドバシ・ドット・コム

 ヨドバシカメラは全国の流通・外食企業が採り入れているポイントカードの先駆者だが、今や流通業界の合言葉となったリアル店舗とネットショップをつなぐオムニチャネルのフロントランナーと呼ばれている。百貨店や量販店のオムニチャネル化はかならずしも成功していないが、ヨドバシカメラは確かな実績をあげている。

 オムニチャネルの推進者は和則氏。ヨドバシカメラに入社後、ITや物流部門の責任者として業務改革を担ってきた。ヨドバシカメラは98年、ネット通販に参入した。楽天市場のサービス開始は97年のこと。アマゾンジャパンがサービスを始めたのは2000年であり、国内EC(電子商取引)の黎明期だった。

 ネット通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」には4つの特徴がある。特筆すべき点は家電通販の枠を超えた圧倒的な品揃えだ。現在700万種類の商品を扱う。日用品やファッション用品、生鮮食品から酒類まで買える。

 2つ目はポイントの還元率の高さだ。高額な買い物の“お得感”を演出している。従来からポイントで囲い込んでいた顧客がスムーズにECに流れた、と評されている。商品価格だけではない。修理や返品・返金などのサービス料金も店舗とECで完全に同じにした。店舗での商品の撮影に制約を加えず、バーコードリーダーアプリでECへ誘導した。「店舗で見てECで買う」「ECで調べて店舗で買う」という、2つの購買スタイルの選択が可能になった。

 最後が物流網・配達部隊の整備だ。都市型店舗が中心だったため、店舗とは別に大規模物流センターをつくり、「ヨドバシエクストリーム」という翌日配送サービスをスタートさせた。全国の9割以上の地域において商品のおよそ1割が翌日に受け取れるようにした。翌日受け取れる商品の配送は業者に委託するのではなく、ヨドバシ自身が行っている。配送の内製化である。

 EC業界専門誌「月刊ネット販売」の調べによると、ヨドバシカメラの20年3月期のECの売上高は前期比14.3%増の1385億円。同期の全社売り上げ6529億円の21.2%にあたる。EC比率が2割を超えた。家電量販店業界はネットに引っかき回されてきた、との苦い思いがある。店舗優先を貫いてきたヨドバシカメラが他社に先駆けてネットとの融合に経営のカジを切り、成功を収めた。

 同業他社には目もくれない。ヨドバシの「ライバルはアマゾン」なのである。

(文=編集部)

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