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板野友美と結婚の高橋奎二、今季で飛躍できるか?アイドルと結婚した選手の成績を検証

文=上杉純也/フリーライター
板野友美と結婚の高橋奎二、今季で飛躍できるか?アイドルと結婚した選手の成績を検証の画像1
高橋奎二Instagram(keijitakahashi514)より

 今月、2人のプロ野球選手がそれぞれ元アイドルとの結婚を発表し、ファンを驚かせた。1人は、5日にAKB48の人気メンバーだった板野友美と結婚した東京ヤクルトスワローズの左腕・高橋奎二投手。もう1人は、16日に元SDN48の甲斐田樹里と結婚した福岡ソフトバンクホークスの右腕・松本裕樹投手である。

 過去にもアイドルと結婚したプロ野球選手はいたが、ここで少し気になったことがある。それは、アイドルと結婚した選手の結婚前後の成績の変化だ。そこで、現役プロ野球選手7人を対象に、その成績がどう変わったのかを調べてみた。飛躍したのか、それとも下降の一途なのか――。

和田毅(福岡ソフトバンクホークス)

 まずは投手から見てみよう。

 1人目は“松坂世代”の生き残りからだ。ソフトバンクの左腕・和田毅投手である。夫人は元グラビアアイドルの仲根かすみで、2人は和田のプロ入り3年目となる2005年のオフに入籍している。

 結婚までの3年間の和田の成績は、70試合に登板して36勝19敗、防御率3.59、477奪三振と、まずまずの成績といえよう。そして結婚後の成績は、これも直後の3年間を見ると、73試合に登板して34勝24敗、防御率3.12、428奪三振と、防御率以外の数字が若干落ちてしまっていた。これは08年の成績不振が大きく、勝ち負けが8勝8敗と入団から5年続けていた二ケタ勝利が初めて途絶えてしまったのである。

 続く09年に至っては、左ヒジの炎症のため長期離脱を余儀なくされている。成績も4勝5敗で防御率も4.06、87奪三振と、プロ入りワーストの成績となってしまった。とはいえ、結婚1年目の06年は24試合に登板して14勝6敗、防御率2.98、136奪三振と、かなりの好成績であった。“新婚ボケ”などと叩かれないように、まさに“奮投”した結果だといえよう。

 そんな和田は、10年には17勝8敗、防御率3.14、169奪三振と完全復活を果たしている。自身初の最多勝を獲得し、初のMVP・ベストナインにも選出されたほどだ。2年続けての不振から脱出したことで、奥さんもさぞやホッとしたことだろう。

田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス→ニューヨーク・ヤンキース)

 さて、プロ野球選手とアイドルの結婚だが、2010年代に入るとハロープロジェクト勢のアイドルと結婚する選手たちが次々に現れることになる。その先陣を切ったのが、前ニューヨーク・ヤンキースで1月21日現在、フリーエージェント状態となっている田中将大だ。東北楽天ゴールデンイーグルス時代の12年3月に、カントリー娘。などで活躍した里田まいと入籍した。

 田中自身はプロ入り1年目の07年から結婚直前となる11年までの5シーズンで、125試合に登板して65勝31敗、防御率2.61、886奪三振と、圧倒的な成績を残している。特に凄かったのが11年シーズンだった。19勝を挙げ最多勝、防御率1.27で最優秀防御率、勝率7割9分2厘で最優秀投手を獲得し、加えて沢村栄治賞とベストナインも初受賞するなど、結婚に向けて弾みをつけるシーズンとなったのである。

 そして田中は、結婚を機にさらに飛躍することになる。結婚直後の12年シーズンは22試合に登板して10勝4敗、防御率1.87。奪三振は169を数え、自身初の最多奪三振のタイトル獲得に成功したのである。

 さらに、楽天在籍最終年となった13年シーズンは、まさに“圧巻”のひとことだった。28試合に登板して24勝0敗、防御率1.27、183奪三振をマークし、最多勝、最優秀防御率、最高勝率のタイトルを獲得。さらに2度目となる沢村栄治賞とベストナインの受賞に、自身初となるMVPにも輝いた。

 米メジャーリーグへ移籍した14年からの7シーズンでも、計174試合に登板して6年連続二ケタ勝利を挙げるなど、78勝46敗、防御率3.74、991奪三振をマークする大活躍をみせた。

 今年1月中旬に、田中のヤンキース残留が厳しいとの報道が出ると、地元ニューヨークのメディアやファンからは失望の声が聞かれたほどだが、そんな田中を陰で常に支え続けているのが、まい夫人というワケである。

杉浦稔大(東京ヤクルトスワローズ→北海道日本ハムファイターズ)

 和田がまずまずの活躍、田中が大活躍となった次第だが、3人目に挙げる杉浦稔大は、結婚前後で微妙ながらも成績を上げた選手である。杉浦は13年のドラフトで東京ヤクルトスワローズに1位指名されて國學院大から入団。即戦力投手として期待されたが、キャンプ中に利き腕の右ヒジを痛めて離脱したことがケチのつけ始めだった。

 14~17年までの4シーズンで1軍登板はわずか33試合にとどまり、6勝8敗で防御率も4.96というていたらく。17年のシーズン途中には、北海道日本ハムファイターズへ交換トレードに出される始末だった。

 ちなみに、杉浦はトレードされる前の17年1月1日に入籍している。その相手というのが元モーニング娘。で、当時はテレビ東京のアナウンサーだった紺野あさ美である。この紺野との結婚、そして環境が変わったのを機に、杉浦の成績も徐々にだが上向いていった。

 移籍した残りの17年シーズンは、ヤクルト時代からの右肩痛のためにリハビリに専念して1軍登板はなかったが、18年は3試合に登板して2勝0敗、防御率2.84、11奪三振、19年は14試合に登板して4勝4敗、防御率3.74、50奪三振の成績を残した。

 日ハム移籍後の2シーズンで手応えを掴んだ感のあった杉浦。そして迎えた昨シーズン、ついに花が開き始めるのである。自己最多タイとなる17試合に登板して7勝5敗、防御率3.13、68奪三振をマーク。結果的に登板数、投球回数、勝利数、奪三振数で自己最多を記録することとなった。

 この成績上昇の裏には、環境が変わったこともその要因として挙げられようが、やはりあさ美夫人の内助の功の賜物ともいえるのではないだろうか。

南昌輝(千葉ロッテマリーンズ)

 4人目は結婚したシーズンでキャリアハイの成績を残した選手だ。16年1月に元メロン記念日の柴田あゆみとゴールインした千葉ロッテマリーンズの右腕・南昌輝である。南は10年のドラフト2位で入団後、15年までの5シーズン中、3シーズンで1軍登板を果たしている。リリーフとして起用され、68試合に登板し、4勝0敗、防御率3.65、73奪三振という成績を残している。

 これが結婚直後の16年シーズンでは、57試合に登板し5勝4敗16ホールド、防御率2.74、58奪三振と、自己最高の成績をマークすることになるのである。この年は序盤戦ではビハインド時での登板が多かったが、中継ぎ陣の相次ぐ故障による離脱を受けて、途中からセットアッパーの役割を担うようになったのも大きかった。

 ところが、この翌年以降は右肩の違和感や、特定疾患である黄色靭帯骨化症を患うなど不運続き。17~20年の4シーズンの成績は、64試合の登板で2勝4敗、防御率4.35、51奪三振と成績が低迷してしまった。昨シーズンの登板も、わずか6試合のみ。今シーズンでの復活が期待される。

野上亮磨(埼玉西武ライオンズ→読売ジャイアンツ)

 5人目はもはや笑えないれくらい成績が低迷してしまった投手である。読売ジャイアンツの野上亮磨だ。野上は08年のドラフト2位で埼玉西武ライオンズに入団。新人1年目から即戦力として先発、中継ぎで起用されるなど活躍を続けた。

 そんな野上が結婚したのは17年3月のこと。相手は元・モーニング娘。の石川梨華だ。それまでの野上の成績は、16年シーズンまでの8年間で183試合に登板し、42勝46敗、防御率4.10、425奪三振を記録している。これが結婚した17年シーズンになると、24試合に登板し、11勝10敗、防御率3.63、113奪三振という成績となっている。13年以来自身2度目の二ケタ勝利をマークし、奪三振数も自己最多を更新。新妻を喜ばせるかたちとなった。

 ところが、シーズンオフに国内FA権を行使し、ジャイアンツへ移籍したあたりから風向きが変わり始める。なんと、18年シーズンは25試合の登板で4勝4敗、防御率4.79、54奪三振と大きく成績が下降してしまったのだ。19年シーズンも、登板わずか13試合で1勝2敗、防御率3.50、16奪三振と低迷。さらに同年10月20日、日本シリーズでの登板に向けて、みやざきフェニックス・リーグで調整登板をした際に左アキレス腱断裂という大ケガを負ってしまった。

 このケガの影響で20年のシーズンは2軍での登板18試合に終わり、プロ入り後初めて1軍で登板することができなかったのである。当然、オフの契約更改では、1億2000万円減の年俸3000万円の提示を受け入れざるを得なくなった。これは減額制限(年俸1億円以上の選手は40%まで)の倍となる80%ダウンという厳しい数字である。だが、場合によっては自由契約になってもおかしくない成績であり、「ジャイアンツのFA補強失敗の典型例」「金をドブに捨てた」などと揶揄されるのも仕方ないところだろう。

 ところで、野上の妻・石川梨華は“アンチ巨人”の阪神ファンを公言していたが、野上の移籍により皮肉にも巨人選手の妻となってしまった。その夫がこの成績というのは、さぞや複雑な心境に陥っているに違いない。

源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)

 次は野手編である。野手といえば、まずは19年10月に元乃木坂46の衛藤美彩と入籍した、埼玉西武ライオンズの源田壮亮内野手だろう。

 16年のドラフト3位で入団した源田は、プロ1年目の開幕戦でいきなり“9番・ショート”でスタメン起用されると、公式戦全143試合のフルイニング出場を果たした。さらに、シーズントータルで155安打を放ち、打率2割7分、3本塁打、57打点、37盗塁をマークし、新人王を獲得する。

 翌18年シーズンも全143試合フルイニング出場し、打率2割7分8厘、4本塁打、57打点、34盗塁を記録。ゴールデングラブ賞も受賞している。19年は、連続試合出場と連続フルイニング出場が299試合で止まってしまい、最終的には135試合に出場して打率2割7分4厘、2本塁打、41打点、30盗塁と、すべて前年の数字を下回る結果となってしまった。

 そして衛藤と結婚後、初めて迎えた20年シーズン。公式戦全120試合に出場して、打率2割7分、1本塁打、21打点、18盗塁という成績となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で試合数が少ないことも関係しているが、少し寂しい数字である。3年連続3度目のゴールデングラブ賞を受賞してはいるが、さらなる打力アップを図り、美彩夫人の期待に是が非でも応えたいところだ。

北村拓己(読売ジャイアンツ)

 野手2人目は、ジャイアンツの北村拓己である。北村は17年のドラフト4位で入団した内野手で、プロ3年目の昨シーズン、待望の開幕1軍入りを果たした。すると8月4日の阪神タイガース戦でプロ初ホームランを記録し、勝利に貢献。そしてその試合後、元アイドリング!!!のメンバーだった伊藤祐奈と1月に結婚していたことと、ちょうどこの日に第1子となる長女が誕生したことを発表したのである。

 北村はそれまでのプロ2年間で、出場わずか6試合、6打数ノーヒット0打点と目立った活躍ができていなかった。それが結婚した途端の昨シーズン、57試合に出場し、打率2割2分7厘、10打点、2本塁打と“プチブレイク”を果たしたのである。まさに“結婚効果”であろう。

 さて、こうして検証した結果、飛躍を遂げた選手、復活の気配を見せている選手、そして“じり貧”の選手というように、悲喜こもごも分かれる結果となった。今年入籍した2選手は、ともにこれからの活躍が期待される若手である。果たして結婚を機に飛躍することができるか、注目である。

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