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コロナ禍で営業のやり方は全て変わったか? 営業コンサルタントの意見は…

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※画像:『中小企業のDX営業マニュアル オンライン展示会をきっかけにしたスムーズな営業改革』(ごま書房新社刊)著者・清永健一さん

 このコロナ禍は、私たちのビジネスの進め方にも大きな影響を及ぼした。


 特に営業活動はオフラインからオンラインへの切り替わりが促進され、戸惑ってしまったという企業も少なくないだろう。


 そんな中で、展示会営業(R)コンサルタントの清永健一さんは「自前オンライン展示会」による営業の「DX」化を提唱し、ウィズ・コロナ時代に適応した新たな営業手法を伝授している。それが今回上梓した『中小企業のDX営業マニュアル オンライン展示会をきっかけにしたスムーズな営業改革』(ごま書房新社刊)だ。


 ここでは清永さんにお話をうかがい、今こそ変えるべき営業の形、そして見込み客を確実に集め、成約までつなげる「自前オンライン展示会」についてお話をうかがった。今回はその後編となる。(新刊JP編集部)

 

■オンラインだから新しいというわけではない!コロナ禍でも営業の基本は変わらない


――「自前オンライン展示会」を取り入れるとなったとき、やはり旗振り役は経営者が務めるべきでしょうか?


清永:社長やそれに準ずる人が引っ張ってほしいですけれど、力み過ぎてはいけません。変化を嫌うのが人間ですから、「さあやるぞ!」と言っても、おそらく社内からネガティブな反応もあるでしょう。だから、最初は少数のグループで始めるのがいいかと思います。


「展示会営業」のメソッドと同じく各部門から一人ずつ選出してチームを作っちゃうのもよいです。まずは3~4人、それに社長を入れて5人でやる、というイメージです。リアルな展示会出展よりも、自前オンライン展示会はスモールスタートがしやすいと思います。


――先ほど「自前オンライン展示会」の中にオンラインセミナーを開くということをお話されていました。オンラインセミナーもだいぶ開催の敷居が下がった印象がありますよね。


清永:そうですね。場所を必要としませんし、開催することにスキルはそれほど必要ありません。また登壇者側からすると、リアルだと講演内容を完璧に頭にいれておかないといけませんが、オンラインならばカンニングペーパーをパソコンの奥に置いておけばバレませんので(笑)、そういう意味ではオンラインでのセミナーはすごくやりやすいですね。


――参加者もその場所に行かなくてもいいわけですから、気軽に参加できます。


清永:ただ、その一方で長時間、集中させるのが難しいというデメリットもあります。そこで、本書に集中させるためのポイントを書きました。しっかり6つのパートに分けて、伝えたいメッセージを入れ込んでいく。その辺をクリアしていくとオンラインセミナーを集中して視聴してもらうことができます。


 以前は、オンラインでセミナーをやること対して、提供側も参加者側も大きな抵抗感がありました。でもコロナを経て、今は、まったく抵抗感がなくなりましたよね。


――「自前オンライン展示会」での営業において、成約率が上がるオンライン商談の特徴はなんだと思いますか?


清永:オンライン商談だけで考えてはいけません。「自前オンライン展示会」全体の流れの中で、見込み客がすでに自社に対して好意を持っている、という状態をつくる。その上でオンライン商談を行うことが重要です。


 オンライン商談では、自社の商品を使って見込み客がどうなりたいのかを、見込み客と営業マンがしっかり共有すること、それが大事です。今がどんな状態で、見込み客はどうなりたいのか、を営業マンがお客様に教えて差し上げます。「現状こうだとおっしゃいますが、これを放置しておくとさらに悪くなってしまいます」と現状を押し下げる。その後、「こうなりたいとおっしゃいますが、お客さんの会社であれば、さらにその先にいけます」と理想を押し上げる。問題とは、現状と理想の間にあるギャップですから、このように問題を大きく広げた上で、解決までの流れを提案すれば、「これは欲しい」とより強く思うはずです。


 このやり方はリアルでもオンラインでも同じです。だから、営業の本質は、実は、オンラインになっても変わらない、と考えて方がよいのです。


――オンラインになってやり方を最初から考えるのではなく、基本的な部分をしっかりおさえることが大事ということですね。


清永:はい。営業の基本は変わっていないんですよ。オンラインだから一新しようとするのではなく、昔からある既存の手法と組み合わせることが大事なんですよね。たとえば、商談後、御礼はがきをお送りする。こういう活動は、リアルでもオンラインでもウケがいい。そしてそれが最後の一押しになる可能性がある。それは同じなんです。


 本書の中でも自前オンラインセミナーを開催するときはメールで案内をしましょうと書きましたが、それは別に電話でもいいですよ。もっと言えば、自社のオウンドメディアに記事をアップしたときに、お客さんに電話をして「この前質問いただきましたよね。答えられなくて悔しいなと思って調べて、記事にしました。ぜひ〇〇さんに最初に見てほしいと思ってお電話しました」と連絡をすれば、良いアプローチになるでしょう。


 オンラインでもリアルでもそういったワンプッシュは同じで、オンラインだからと悩みすぎずに、どんどんやっていけばいいのだと思います。


――オウンドメディアや動画など、オンラインのツールで情報を提供するアプローチすることで、PVなり再生回数を確認できますよね。その数字が伸びてないと士気も上がらなくなるといったことが起こると思うのですが、そういうときの対処法はありますか?


清永:人気YouTuberさんだと、動画を上げるたびに再生何百万とかになりますけれど、自前オンライン展示会ではそんなこと求めていません。大切なのは、伝えるべき見込み客に、きちんと伝わることです。


 私のYouTubeチャンネルの登録者数は1500人ほどです。YouTuberさんに比べると決して多くはないですが、この1500人の方は、オンライン営業や展示会出展について悩んでいる方々なのです。我々はYouTuberではなく、ビジネスに動画を活用したいだけですから、自社が伝えたい人が見てくれるチャンネルになっていれば、再生数にこだわる必要は全くありません。


 例えば公開して一週間の再生回数が30だとしたときに、30しか見てないととらえる人が多いかもしれないけれど、見込み客が30人いると考えればどうでしょうか。悪くない数字ですよね。もちろんもっと再生される努力はすべきだけども、再生数よりも見込み客を獲得することこそが重要だという点を外さないようにしたいですね。


 その意味で、適正な目標値を設定することが重要です。そして、そこに勢いを生むために、ゲーム化して取り組むとよいです。YouTubeって再生回数だけではなく、視聴時間なども確認できますから、そういう指標をゲームの得点にして、チーム戦などで競っていくのがいいかなと。


――有名YouTuberと競うのはまさに本末転倒というか。


清永:そうなんですよ。自分が何を目指しているかということをブラさないこと。そのことが分かってビジネスにYouTubeを活用している企業って実は少ないんです。ただ、少ない中とはいえ、きちんと取り組んでおられる企業もあります。しっかり戦略を持ってやっている企業のYouTubeチャンネルをベンチマークするとよいと思います。


――では、本書をどのような人に読んでほしいとお考えですか?


清永:私は展示会営業(R)コンサルタントですから、展示会に出ている方、出展したかったけれどコロナ禍で出れなくなってしまった人には、絶対に読んでほしいです。特に、これから展示会出展を控えている人に読んでいただくと、まさに「自前オンライン展示会」の手法がそのままリアル展示会の準備になりますから効果絶大です。


 それと、展示会には全く縁がない方にもぜひお読みいただきたいです。ぼくは、コロナ禍の中でもがんばっておられる方に、お役に立ちたいと思って、魂を込めてこの本を書きました。コロナ禍で何か新しいことをしなきゃいけないけれど、何をやっていいのか正直分からないという方が多いと思うんです。そういった全ての人に読んでほしいですね。社長も、営業の責任者も、営業マンの皆さんにもお読みになってほしいです。即実践できるように具体的に書いていますので、ぜひ本書の内容を業績向上にお役立ていただきたいと強く思っています。(新刊JP編集部)


※清永健一さんインタビュー前編はこちら。※外部サイト(新刊JP)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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