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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

与党議員は深夜の銀座クラブ通い、野党は大声ヤジで飛沫拡散?情けない永田町の「非常識」

文=神澤志万/国会議員秘書
与党議員は深夜の銀座クラブ通い、野党は大声ヤジで飛沫拡散?情けない永田町の「非常識」の画像1
国会議事堂(「Wikipedia」より)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 国会における不祥事は過去にもたくさんありますが、新型コロナに関するものはなんだか情けないですね。最近、気になった報道の見出しだけ挙げておきますと、「緊急事態宣言下、麻生側近議員が23時まで『イタメシ』と『銀座クラブ』をハシゴの証拠写真」(1月26日付デイリー新潮)、「公明党のホープ・遠山清彦前財務副大臣『深夜に銀座高級クラブ』で党から厳重注意」(同日付文春オンライン)……。

 国民には「自粛」を要請しておいて、これでは本当に次の選挙がどうなるかわかりませんよ。

大声ヤジで飛沫が心配な国会内

 情けないネットニュースが話題になった26日夜は、衆議院本会議で今年度の第3次補正予算案の採決が行われました。自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、同案は参議院に送られました。コロナ対策がメインで、第2次補正予算の「Go To」関連は事業自体が休止しているので意味ないのですが、菅義偉首相はまだこだわっている感じでした。

 補正予算は年度末の3月末までに使い切らないといけないのですが、今予算が下りても3月末までには終わらない対策もあるかもしれません。それなら執行時期の延長も同時に審議すべきだと思うのですが、役所というのは前例や慣例にとらわれすぎです。

 予算の執行時期をずらすことができるのは「非常事態」のときに限られるそうですが、未知のウイルスが驚異的な感染力で蔓延していて、国際的にも未曽有の事態と言われている今が非常事態でないのなら、どういう状況が非常事態なのでしょうか。

 それに、予算が余っているなら、困窮している事業に回すとか、もっと柔軟に対応すべきです。こんなときに「前例主義」の弊害に苦しめられるなんて……。効率の悪い仕事ぶりを間近で見て、自分の非力を嘆いています。

 第204回国会は1月18日から始まっていますが、今回の予算委員会はスキャンダル追及は少なめで、やっぱりコロナ関連が中心でした。神澤が憤りを感じたのは、委員室内にいる国会議員の態度です。一見するとマスク着用でルールを守っているように見えますが、まだ大声でヤジを飛ばす議員が少なからずいるんです。コロナは飛沫感染が問題になっているのに、なぜなのでしょう?

 大相撲をはじめとして、イベントは無観客にしたり入場者数を減らしたりして、国が定めたルールを守っています。主催者側も参加者側も感染予防を徹底して、声を出さずに応援していますし、マスクをつけて消毒をこまめにするなど、窮屈な思いをしながらも、できる範囲でがんばっています。

 それなのに、会食のルールを破るばかりか、国会で大声を出すなんて、びっくりしますよね。こういうときこそ、プラカードが大好きな野党議員が「声は出さないでください!」とか「静かに傍聴しましょう」などと書いて掲示すればいいのに……と思いましたが、あの声は野党議員だったような気もします。

 とにかく、国会議員は国民の手本となる立場だということを自覚してほしいです。

石原伸晃議員の感染に永田町が騒然

 それにしても、コロナ騒動は収まりませんね。

 25日の衆議院予算委員会では、立憲民主党の小川淳也議員が自民党石原伸晃元幹事長に対する国民の不満について言及しました。石原元幹事長は感染後に無症状で入院したことで、「症状がある人が入院できないのに、なぜ石原さんは無症状なのに入院できるんだという声もある」ということでした。まぁ、それはそうですよね。

 この小川議員も以前に感染していましたし、国会でも感染報告がほぼ毎日あるような状態が続いています。クラスターこそ発生していないものの、身近にコロナの脅威があることは、誰もが実感しているはずです。

 国会議員の感染は、昨年9月18日に確認された高鳥修一衆院議員(自民)が「第1号」でした。その後、11月になって、医師でもある桜井充参院議員(無所属・自民会派)、小川議員(立民)の感染報告があり、12月には本人が療養中なのに政治資金パーティーを開いていたと話題になった渡嘉敷奈緒美衆院議員(自民)、前大臣なのに大規模な懇親会に参加し、本人だけでなく秘書たちも感染してしまった竹本直一衆院議員(自民)。

 そして、6人目の陽性者である羽田雄一郎参院議員(立民)は12月27日に病院に向かう途中に容体が急変し、大変残念なことにお亡くなりになりました。国会議員では初の死者となったにも関わらず、年末のさまざまなニュースに紛れて大きく報道されなかったことは大変遺憾です。心よりお悔やみ申し上げます。

 その後、清水忠史衆院議員(共産)も感染、今年に入ってからは、1月19日に安藤高夫衆院議員(自民)の感染が報告されています。安藤議員は、前日に自民党内の「密」な状態で開催された会合に出席していたため、党内がかなりざわつきました。

 そして、22日に石原元幹事長の感染が報道されました。石原元幹事長は、その前日に派閥の会合で坂本哲志地方創生担当大臣らと会食していたので、25日からの衆院予算委員会に影響が出るかもしれない、と騒然となりましたが、一応は大丈夫でした。

 民間企業なら、社内に感染者が出たら、自分は濃厚接触者でなかったとしても、一定期間は出社を自粛するなど外部の人との交流を避けますよね。しかし、国会議員にはそういう感覚は皆無のようです。お恥ずかしい限りです。石原元幹事長を含め、国会議員の感染者は9人となりました。まだまだ増える……のでしょうか。

(文=神澤志万/国会議員秘書)

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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