そんなまつとよ苑は2度目の緊急事態宣言を受けて、あの仰天サービスを展開した。それは、驚くほど「お客さんファースト」の思いからだった。
「今回の緊急事態宣言は、比較的急に決まったじゃないですか。だから、お肉の在庫を抱えた状態だったんです。通販の許可をもらって販売しようにも、連休が続いた関係で動きが遅れてしまって。その間のお肉がもったいないので、それなら、うちの味を知ってもらいたいと考えたんです。販売するのはNGですが、プレゼントという形ならOKだったので」(タイチさん)
この太っ腹すぎるサービスに驚きつつ、お肉を送ってもらったのは15名ほど。DMでの問い合わせも60件ほどあったといい、大きな反響を呼んだようだ。

「正直、今は店の利益じゃない」
SNSが隆盛を極める現代ならではの展開だが、なぜ見ず知らずの人間にも自慢の肉の無料提供を決めたのだろうか。
「正直、今は店の利益じゃないと思うんですよ。こんなときでもやってきてくれるお客さんを大切にしたいし、遠方で来られないお客さんにも、おいしい肉をサービスしたい。ただ、それだけだったんです。だから、損得勘定なんてなかったですよ」(同)
この粋なサービスを受けた人たちは、ツイッターやインスタグラムで「#まつとよ苑」のハッシュタグとともに、多くの画像を投稿。結果的に、タイチさんの神サービスは大きな宣伝効果を生んだ。
当初の予定を変更して、まつとよ苑は1月23日より14時から20時までの営業を再開し、同時に通販事業も開始した。上質な牛肉が6000円台からというリーズナブルな価格で購入できるので、おうち焼肉にもピッタリだ。

「会ったことのないお客さんにも、ぜひ楽しんでもらいたい」というタイチさんの願いが込められた、まつとよ苑の通販サービス。その神対応には、オープンアップ(東京アラートラン内の最高評価)をつけたい。
(文=福嶌弘/フリーライター)
●まつとよ苑
住所:東京都練馬区豊玉北5-15-5
電話番号:03-6914-8443
営業時間:17:00~24:00
※2/7までは14:00~20:00
定休日:年中無休
公式HP:https://ggtj600.gorp.jp/