大栄翔の平幕優勝が歴代で「最も価値が高い」理由…数値化でわかる圧倒的な強さの秘密の画像1
初優勝で賜杯を手にする大栄翔(写真:日刊スポーツ/アフロ)

「勝てば優勝」の大一番を制し、初の賜杯を手にした大栄翔(27=追手風)。東西の両横綱が不在だったことを考えると、一見「番狂わせ」とも感じさせるが、相撲内容を見ると、その強さを計り知ることができる。何より、過去の平幕優勝の中で「最も価値が高い」と言っても過言ではない気がする。

 1965年(昭和40年)以降、わずか19回しかない平幕優勝は、番付(枚数)の位置によって対戦相手がまるで異なる。幕内中位以下は平幕同士の対戦を終えて優勝戦線に残った力士が番付を飛び越え、役力士に相対する。対して、平幕上位は前半戦から役力士(横綱・大関・関脇・小結)との対戦が組まれる。

 番付により、対戦相手の力量が段違いなわけである。中でも前頭筆頭ともなれば中日までに横綱戦や大関戦が組まれ、黒星を重ねて自分の相撲を取れなくなるのが定番だが、大栄翔の実力はその段階を超えていた。

数値化でわかる大栄翔の「レベルの高さ」

 表は、1965年(昭和40年)以降の平幕優勝者の役力士との対戦成績である。今場所の大栄翔は初日に朝乃山を破ると、2日目に貴景勝、3日目に正代と、大関戦3連勝で3つの銀星を獲得。勢いに乗り、小結御嶽海、小結高安、関脇照ノ富士、関脇隆の勝と倒し続け、役力士を総ナメにした。平幕が初日から三役以上に7連勝するのは、史上初の快挙である。

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 さらに、「平幕優勝者の役力士からの勝利」を点数化してみた。横綱戦勝利(=金星)を4点、大関戦勝利(=銀星)3点、関脇戦2点、小結戦1点として計算したところ、大栄翔は19人中2位となる15点を獲得。銀星3つは、平幕優勝者の中で最多タイである。

 点数トップは、2001年(平成13年)秋場所の琴光喜。この後、大関に昇進した名力士は横綱武蔵丸から金星を奪うと、大関千代大海と雅山から銀星を獲得。8人と対戦して7勝1敗だった。

 ただし、琴光喜が優勝した場所は(初日からの休場者を除く)役力士9人のうち勝ち越し力士はわずか3人。対して、先場所の大栄翔は役力士7人中6人が勝ち越しており、しかも6人全員が9勝6敗以上。途中休場した貴景勝以外の6人とも好調だった。

 さらに、出場した役力士7人のうち5人が優勝経験者(貴景勝、朝乃山、正代、照ノ富士、御嶽海)であり、5人のうち3人は2回以上の優勝を誇る。関脇照ノ富士と小結高安は、ともに大関経験者でもある。

 そんな面々を相手にした大栄翔は(平幕の玉鷲を含めた)6人の優勝経験者を問題にしなかった。仮に白鵬と鶴竜の両横綱が出場していても倒したのでは……と妄想したくなるほどだ。

 ある元関取の話を聞こう。

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