センバツ甲子園、謎だらけの選考(近畿地区編)…文武両道の高校が大好きな高野連の画像1
阪神甲子園球場(「Wikipedia」より)

 1月29日、今年の春の甲子園「選抜高等学校野球大会(センバツ)」出場校の選考が行われ、出場32校が出揃った。その出場校もほぼ順当で、実に楽しみな顔触れが揃った感じだ。とはいえ、過去には「なぜここが落ちて、ここが選ばれたの?」というような、まさかの逆転選考例が多数ある。なかでも”文武両道の伝統的な公立進学校”が当落線上にある場合、そんな現象が目立っているのだ。

 そこで今回は、文武両道の伝統的な進学校や名門校をめぐる、センバツまさかの”逆転選考劇”を、甲子園のお膝元の「近畿地区編」と「その他の地区編」の2回に分けて振り返ってみたい。

 まずは近畿地区から見てみよう。

【ケース1】最初は7点差で負けたものの、次に同じ相手と試合したら3点差に詰めたから逆転選考

 まず紹介するのは、日本高等学校野球連盟(高野連)がお好みの伝統的な進学校を選ぶために、”なりふり構わない”選考を行ったケースである。

 1990年秋の近畿大会は天理(奈良)が優勝、神戸弘陵(兵庫)が準優勝、ベスト4には大阪桐蔭(大阪)と箕島(和歌山)が残った。当時の近畿地区の出場枠は7枠だったが、注目の準々決勝の結果は報徳学園(兵庫)0-7大阪桐蔭、浪速(大阪)0-4天理、三田学園(兵庫)0-3箕島、鳥羽(京都)0-2神戸弘陵というように、大差のついた試合は1試合のみ。となれば、大敗した報徳学園が圏外で、残りの7校が順当に当選というのが事前の下馬評であった。

 ただ、この7校のなかで鳥羽だけが準々決勝からの登場で、結果的には初戦敗退のため、1回戦で神戸弘陵に2-3で惜敗した市和歌山商と、同じく1回戦で三田学園に1-2で競り負けた近大付(大阪)の2校にも、わずかながら逆転選出の可能性が残されていたのである。

 とはいえ、地域性が考慮されれば、鳥羽が有利なハズで、これなら近畿7枠のうち、大阪2、兵庫2、京都1、奈良1、和歌山1とバランスが良く、至極妥当なところ。ところが、注目の選考結果は……。

 天理、神戸弘陵、大阪桐蔭、箕島、三田学園、浪速、そして奈良だった。なんと初戦敗退組からの、まさに前代未聞の大逆転選考であった。

 実は奈良は県内トップの進学率を誇るだけでなく、旧制奈良中の流れを汲む伝統の公立高校。”文武両道”が大好きな、まさに高野連好みのチームだったのである。

 この年の秋の県大会では、クジ運の良さもあって奇跡的に決勝戦にまで進出。しかし、最後は全国に名だたる強豪・天理の前にあえなく0-7で大敗を喫したのだが、それでも県2位での近畿大会出場が決まった。ところが、近畿大会初戦で天理との再戦が決定。当然のように1-4で返り討ちされてしまった。しかも、延長戦での激闘のすえの敗戦でもない、実にあっさりとした負け方である。

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