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小谷寿美子「薬に殺されないために」

温湿布と冷湿布、どっちを貼るべき?意外な正解…湿布貼り過ぎは危険、胃・腎臓に障害

文=小谷寿美子/薬剤師
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温湿布は「温熱療法」ではない

 温湿布は温かく感じるため「温熱療法」と勘違いされやすいです。冷湿布は体を冷やすけど、温湿布は体を温めるから害にならない、と貼りまくっている方が残念ながらいます。あくまで「消炎鎮痛薬」が配合された「薬」です。湿布だから副作用はないと思い込んでいる方もいるかもしれませんが、貼りまくっていたらしっかりと体内に吸収されて全身性の副作用が起こってしまいます。つまり「消炎鎮痛薬」を飲んだのと同じレベルの副作用が出てしまうということです。何度もお伝えしているのですが、消炎鎮痛薬というのはもっとも強い副作用が起きる市販薬のひとつです。

 薬を飲んだら胃が荒れて、むかむかしたり痛みが出たりする方がいると思います。湿布を貼りまくると、そのような症状が出てしまうということです。インドメタシンは消炎効果が高いのですが胃が悪くなりやすいので、飲み薬としてほぼ使わず、湿布や塗り薬として使うことが多い薬です。それをたくさん貼っていたら当然胃が悪くなります。胃だけではありません。腎臓が悪くなるという副作用もあります。

 重篤副作用疾患別対応マニュアルによると、急性腎障害を起こしやすい医薬品として明記されています。尿量が少なくなる、むくみがある、体がだるいといった症状が出てきます。それこそ、むくみなんて一日中仕事をしたら日常的に感じますし、体がだるいといった症状は一日中仕事をしたら日常的に感じることでしょう。尿量についても多い日もあれば少ない日もあるでしょうから、たまたま少なかったくらいにしか感じないかもしれません。

非温感のテープに注意

 非温感のテープとは、「サロンパス」のように痛み止めが配合されたテープのことです。消炎鎮痛薬が皮膚から吸収されることで痛みや炎症に効果があります。非温感のテープなのですが、便宜的に「シップ」と呼ばれることが多いです。湿布は水分を含んでおり「はがれやすい」という欠点があるのですが、非温感のテープはしっかり密着するのではがれにくいです。貼った場所を固定するテープを貼る必要がないため便利です。そのため、現在ではこちらのほうが人気で数多く使われています。

 市販ではこうしたテープ剤のほうが「消炎鎮痛薬」として強いものが配合されていることが多いです。インドメタシン以外にも「フェルビナク」がありますし、「ボルタレン」で有名な「ジクロフェナク」はかなり強いです。こうした強い薬をあちこちに貼っていると、全身性の副作用が出やすくなってしまいます。ジクロフェナクの場合は両肩に腰に膝にと何枚も貼らないで、添付文書に書いてある通り1日2枚(大判は1枚)までにするようにしてください。

(文=小谷寿美子/薬剤師)

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