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保育所最大手JPHD、泥沼内部抗争の顛末…学研HDが突如、筆頭株主に、社長送り込みか

文=編集部
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学研ホールディングス本社(「Wikipedia」より)

 学研ホールディングス(HD)は1月14日、JPホールディングスの株式を、株主の2つの法人から取得し、持ち分法適用会社にした。持ち株を売ったのは筆頭株主のマザーケアジャパン(東京・渋谷区)と第5位株主のJPIマネジメント(東京・港区)。学研HDは市場外の相対取引で、発行済み株式の30.72%を98.51億円(1株当たり365円)で手に入れた。

 学研HDは学習参考書・雑誌、学習塾が主力事業だが、幼児教育や保育所も手掛けている。JPHDは保育所最大手で認可保育所がメインだ。303施設の保育所・放課後児童クラブ(学童保育)を運営している。21年3月期の連結決算の売上高は前期比4%増の330億円、営業利益2%増の15億円、純利益は4%増の11億円を見込んでいる。

 JPHDは学研の幼児教育の教材やプログラムを利用している。学研HDはJPHDのノウハウを生かし幼児向けの新たなコンテンツの開発や保育を担う人材の育成を行うほか、備品の共同調達やITシステムの共同利用などにより経営効率の向上に努める。

 JPHDの坂井徹社長は筆頭株主だったマザーケアジャパンの創業者である。保有株を学研HDに売却し、投資した資金を回収した。JPHDで延々と続いていたお家騒動は、学研HDの持ち分法会社になったことで、ようやく決着した。

創業者と経営陣の泥沼の抗争

 JPHDの経営混乱の発端は6年前にさかのぼる。15年2月17日、創業者の山口洋氏が体調不良を理由に社長を辞任。荻田和宏氏が社長に昇格した。突然の社長交代は、その後の紛争の過程で「山口氏のセクハラが原因だった」ことが明らかになる。

 創業者の山口氏と社長の荻田氏の確執というかたちで抗争の幕は上がった。16年6月の定時株主総会で、荻田氏ら一部役員の選任議案の賛成率が58%台にとどまった。大株主の山口氏が反対票を投じたからだ。17年6月の定時株主総会では、山口氏に近い株主が取締役の任期短縮などを求める株主提案を行ったが、僅差で否決された。

 それでも山口氏は攻撃の手を緩めない。臨時株主総会の開催を求める株主提案を行った。この株主提案を否決するために経営側は第三者委員会を設置し、山口氏の「重大なセクシャル・ハラスメントに関する調査を行う」と公表した。

 同年、11月17日に公表された第三者委員会の調査報告書(要点版)は、社員旅行で飲食した時などの山口氏による女性社員への性的言動をセクハラと認定した。社内不倫にも言及。「特定の女性職員との関係で職場の風紀秩序が乱され、職場環境の悪化をもたらした」と結論づけた。「物を投げつけて部下を叱るパワハラ行為もあった」とした。

 調査報告書は、その一方で、荻田社長やほかの男性取締役も、女性社員の体を過度に触る行為が目撃されているとし、「セクハラに該当し得る行為が認められる」と指摘した。経営側は第三者委員会に創業者のセクハラを認定してもらい、山口氏の株主提案を否決することを狙ったが、現社長のセクハラも公表されることとなった。

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