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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

住宅ローン、実は完済まで平均16年?50代で返済を終える計画術…老後の不安解消

文=山下和之/住宅ジャーナリスト
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ポストコロナをにらんだ物件を選びが大切に

 しかし、こんな時期だからこそ、ブームに流されるのではなく慎重な購入計画が欠かせません。ひとつには、現在のウィズコロナがいつまでも続くとは限らないという点に注意が必要です。半年後なのか、1年後なのか、2年後なのか、時期は確定できなくても、いずれはコロナを抑制し、以前に近い生活に戻ることができるようになるはずです。

 そうなると、在宅勤務が減って、通常通り通勤しなければならなくなり、自宅のワークスペースが不要になる事態もあり得ます。また、通勤しなくてもいいからと、通勤時間の長い郊外や地方の物件を買ったら、通勤が戻ってきて、たいへんな思いをしなければならなくなった――といった事態も想定されるます。

 勤務している会社がテレワークなどにどのような考え方を持っているのかなどを十分に把握して、将来設計を間違わないようにしなければならなりません。

無理のない資金計画でローン破綻を防ぐ

 第二には、コロナを抑制できたとしても、すぐに社会・経済が元通りになるわけではないだけに、資金計画は従来以上に慎重にするべきです。いつ収入が減るかわからないし、最悪の場合、勤務先が倒産といったリスクも、これまで以上に大きくなるのではないでしょうか。そう考えれば、何よりも無理のない資金計画を立てる必要があります。控えめの予算で、自己資金比率を高め、年収に占める年間返済額の割合である返済負担率を低く抑制することが大切なのです。

 可能な限り自己資金を増やし、最低でも物件価格の1割、できれば2割以上を用意しましょう。自力では難しい場合には、両親や祖父母などに相談して、援助してもらえる可能性がないかなどの道を探ってみてはどうでしょうか。自己資金が増えれば、返済負担率を抑えることができます。銀行などの審査では返済負担率35%までOKですが、安全を考えれば25%程度の範囲に抑えておくのがいいでしょう。

人生100年時代の折り返し地点までに返済を終える

 最後に、人生100年時代ですから、老後の生活設計が重要になってきます。まだまだ若いからとのんびり構えるのではなく、住宅ローンを組む場合には、長い人生の折り返し地点ともいえる50代までに返済を終えられるようにしておきましょう。

 住宅ローンを組むときには、返済負担を考えて30年、35年などの長い返済期間を利用する人が多いのですが、可能な範囲で20年、25年と短い返済期間にして、50代までに完済できるスケジュールにしておくのが安心です。住宅ローンの返済がなくなれば、その時点で残りの人生を踏まえた、“終の住処”のための住まい探しの選択肢が増えて、老後の安心につながります。

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