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ハーゲンダッツ、実は量2倍・価格半額のスーパーカップとクオリティ同等?全然違う?

文=二階堂銀河/A4studio

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 今、スーパーやコンビニエンスストアなどで売られているアイスは、2つの巨大ブランドの熾烈な戦いが繰り広げられている。「明治 エッセル スーパーカップ」と「ハーゲンダッツ」である。両ブランドのカップアイス(バニラ味)を内容量と価格で比べてみると、スーパーカップは内容量200ml・希望小売価格140円(税別)、ハーゲンダッツは内容量110ml・希望小売価格295円(税別)。なんと同じカップアイスながら1mlあたりの価格差が4倍近くあるのだ。

 にもかかわらず、LINEリサーチによる人気アイスランキング(2020年5月時点)によると、堂々1位はハーゲンダッツ。しかも得票率は14.0%で、4位で得票率6.4%だったスーパーカップにダブルスコア以上の大差をつける結果に。ハーゲンダッツのブランド力は、さすがといったところだろう。

 一方で、アイスクリーム新商品の売上ランキングは、昨年11月分集計時点で、5カ月連続でスーパーカップが1位に君臨していた。また、ネット上では「スーパーカップの味はハーゲンダッツと比べても遜色ない」という声も多いようである。それが本当なら、スーパーカップはハーゲンダッツよりはるかにおトクということになるだろう。

 このように、2つの商品は一進一退の攻防を繰り広げている。気になるのは、実際に味の差や中身の違いは一体どれほどのものなのだろうか、ということ。そこで、今回は「スーパーカップ 超バニラ 200ml」と「ハーゲンダッツ ミニカップ バニラ」の2商品について、フードアナリストの重盛高雄氏に客観的に解説してもらったうえで、筆者が実食して忖度ナシの徹底比較を行った。

価格も大きさも異なる理由は「乳成分量」の大きな差が要因

 まずは、2つの商品の価格と内容量に大きな差がある理由について聞いた。

「それぞれパッケージの裏に書かれている『種類別』の名称の違いに答えがあります。乳成分量によって表示が異なるこの名称は、スーパーカップが『ラクトアイス』、ハーゲンダッツが『アイスクリーム』という表記。『ラクトアイス』が“乳固形分3.0%以上”なのに対して、『アイスクリーム』は“乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上”になります。つまり、スーパーカップは分類上アイスクリームではなく、ハーゲンダッツは正真正銘アイスクリームであるということになります。

 その違いは、実際に味のクオリティにも差が出ているはずです。乳成分が少ないスーパーカップは、他の商品に負けないように水あめや香料といったもので、さまざまな味付けをしています。その企業努力の成果もあって、最初の一口については、ハーゲンダッツとそこまでかけ離れた印象にはならないかもしれません。

 しかし、最も味の差が現れるのは、常温で少し時間を置いた“溶け始め”の状態のものなんです。その状態で両者を舌の上にのせると、味の深みや舌触りのなめらかさには大きな差があるでしょう。さらに、ハーゲンダッツのように乳成分が多いアイスクリームは、甘みがより長く口内に残るという特徴もあります」(重盛氏)

 また、内容量の差についても理由があるようだ。

「ラクトアイスは、前述したようにさまざまな味付けを加えているため、時間が経って溶けてしまっても味わいがそこまで変わりません。だから内容量も多くできるのです。けれどハーゲンダッツは、時間が経って溶けてしまったときにアイスクリームの持ち味が弱くなってしまうため、量を少なくせざるを得ないという事情があるのでしょう」(重盛氏)

 まとめると、2つの商品にこれだけの価格差と内容量差がある理由は、ハーゲンダッツのブランド戦略というだけでなく、実際に乳成分量の違いによって質にも大きな差があったからということだ。

「スーパーカップ」と「ハーゲンダッツ」、実食で徹底比較

 それでは、上記の解説を踏まえ、スーパーカップとハーゲンダッツを実食して違いを確かめていこう。

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 はじめに、冷凍庫から取り出してすぐの状態の2商品を食べ比べてみた。

 フタを開けると、どちらもアイスとして食べやすい程度に、ほどよく固まっている状態。まずはスーパーカップからスプーンにすくって口に入れてみる。甘ったるすぎず、なめらかな舌触りで安物っぽさはあまり感じない。値段から考えると、思っていたより味の質は良く、コストパフォーマンスの高さを感じる。

 続いて、ハーゲンダッツを一口。まず舌で感じたのが、圧倒的な生乳っぽさ。濃度の高いミルキーな食感で、スーパーカップに比べて乳成分が多く含まれていることが実感できる。スーパーカップを食べたときに“なめらかな舌触り”と感じたが、それを上回るまろやかさに驚いた。スーパーカップの製造技術ももちろんすごいが、それを上回るハーゲンダッツもすごい。

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 開けてすぐの状態の比較でも、十分に違いは感じることができた。さて、次は常温で少し置いて、溶け始めた状態のものを食べて比較してみよう。

 10分程度、常温の空気にさらした2商品を再度実食。重盛氏の解説を参考に、しばらく舌の上にのせた状態で比べて、違いを確かめることにした。

 すると、スーパーカップは一瞬で口の中で溶けてしまい、甘さもほぼ残らなかった。それに対して、ハーゲンダッツは濃厚な風味がいつまでも口の中に残るような印象。なるほど、ハーゲンダッツを食べるなら間違いなく“ちょっと溶けた状態”がおすすめだ。

「たくさん食べたいという方は、早々に食べると味の違いもあまり出ないのでスーパーカップのほうがお得に感じるはず。ゆっくり、じっくりアイスを味わいたいという方は、ハーゲンダッツの濃厚な風味を楽しむのがいいかもしれませんね」(重盛氏)

 実食してみると、両ブランドにそれぞれの良さがあることがよくわかった。重盛氏の言う通り、人によってアイスに求めるものは違うだろう。みなさんも食べ比べてみると、今回紹介した情報を実感できるのではないだろうか。

(文=二階堂銀河/A4studio)

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エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
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