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「女性社員が働きやすい」アルペン会長、強制わいせつ容疑で逮捕…女性管理職も多数で先進的

文=編集部
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アルペングループ公式サイトより

 スポーツ用品販売大手「アルペン」(名古屋市)代表取締役会長の水野泰三氏(72)が、女性(42)に対する強制わいせつ致傷などの容疑で愛知県警に逮捕された。水野氏は犯行を否認しているものの、同社は逮捕報道を受けた12日、水野氏の代表取締役会長職辞任を発表した。新型コロナウイルス感染症が拡大する中でも、「密になりにくい」ゴルフ用品の売上増もあって、業績回復が予想されていただけに同社従業員らに衝撃が広がっている。

 12日、アルペングループのIRサイトでは「代表取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」と題するニュースリリースが発表された。リリースによると水野氏から、代表取締役会長辞任の申し出があり、取締役会が受理したという。そのうえで「当社といたしましては、今回の件を厳粛に受け止め、コンプライアンスの強化に努めながら、お客様、株主の皆様、お取引先企業様、ならびに当社グループに関係する全ての方々の信頼を回復していけるよう、今後も努力してまいります」とコメントした。

事件内容をめぐり錯綜する報道

 12日に公開された読売新聞オンラインの記事『女性に暴行の「アルペン」会長、出会い系カフェで当日初対面か』によると、水野氏は昨年11月29日午後、名古屋市の出会い男女の出会い目的のカフェ型店舗で女性と会い、同市中区の宿泊施設内で、女性に暴行を加えた上でわいせつな行為をし、首や腰などに3週間のけがを負わせ、現金10万円と運転免許証を盗んだ疑いが持たれているという。

 その犯行の態様に関しては東海テレビ公式サイトが11日に公開した記事『ホテルで現金渡した相手女性と「金額」で揉めて暴行か…逮捕のアルペン会長 強制わいせつ致傷等の容疑否認』が詳しい。同記事を一部引用する。

「警察によりますと、水野容疑者は去年11月、名古屋市中区の宿泊施設で女性(42)の背後から首を絞め、押し倒して馬乗りになり両腕をねじるなどしてケガをさせた上、体を触るなどのわいせつな行為をし、現金10万円と運転免許証を盗んだ疑いです。

 女性は腰をねんざするなど全治3週間のケガをしました。

 水野容疑者は調べに対し、『女と口論になり揉み合いになったが、暴力はふるっていないし、わいせつなこともしていないし、金も盗んでいない』と容疑を否認しています」

 ただ水野氏がどのように女性と知り合ったのかに関しては情報が錯綜しているようだ。東海テレビは11日、上記とは別の記事『マッチングアプリで知り合う…逮捕のアルペン会長 ホテルで女性に現金渡すもその金額を巡りトラブルか』を公開。「女性とはマッチングアプリを通じて知り合い、2人でホテルに入ったことが捜査関係者への取材で新たにわかりました」と報じていたのだが、この記事は12日午前11時までに非公開になった。

 同事案に対し、警視庁の関係者は「愛知県警の事案なのであくまで一般論からの私見ですが、男女間の隠微な事案であり、片方は容疑を否認していることもあり、裏付け捜査を慎重に行う必要があるので全容解明には時間がかかるでしょうね」との見方を語った。

業績回復中、“まさかの女性問題”に従業員悲鳴

 コロナ禍で小売業が苦境にある中で、アルペンには追い風が吹いていた。同社は1月21日、2021年6月期第2四半期の連結業績の上方修正を発表したばかりだ。発表資料などによると、3密回避の「ゴルフやアウトドア用品が好調」だったため、売上高1205億3000万円(前回予想比8.8%増)、営業利益111億4000万円(同約6倍)、経常利益120億7000万円(同約5倍)、純利益78億7000万円(同約5倍)と引き上げていた。首都圏のアルペングループの店舗社員の40代男性は大きくため息をつく。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会森喜朗会長が『女性』発言で退任したまさにこのタイミングで、こんな案件が公になったら影響がないわけがないです。

 堅調な業績だっただけに、ブランドイメージへのショックは大きいと思います。弊社が台風などの自然災害で2018年7~9月期の決算が上場来初の赤字に転落したことはまだ記憶に新しいと思います。翌19年1月には300名の希望退職者を募ることにもなりました。競合するゼビオ(編集部注:福島県郡山市)さんに比べてEC(イーコマース)事業で遅れていることもあって、ここ数年、社内には危機感が漂っていました。希望退職の影響で、管理職の人手不足はかなり深刻で、やっと一息つけるかと思っていた矢先にこれとは……」

 別の店舗に2019年まで勤務していた20代女性従業員は次のように語る。

「残念です。私はパート勤務でしたが、女性店長や管理職もたくさんいるし、育休や産休なども取りやすく、多様性のある働きやすい職場だっただけに、経営幹部の方がこういう……なんというか、女性のイメージを下げるようなことをする企業ではないと思っていました。

 良い意味でも悪い意味でも創業以来、水野会長のトップダウンでやってきた会社です。水野会長のイメージダウンは会社のイメージダウンに直結します。例えば、『従業員は4連勤したら3日休み』という制度は水野会長の発案でした。一日当たりの業務時間は増えるものの、趣味や個人の時間をたくさん持つことができるので、従業員にとってはとても好評です。もともとスポーツをやっていた人も多いので、なおさらです。

 ただ、管理職になると他の企業さんと同じように週休2日になるので、管理職は大変だなとは思っていました」

 水野氏は日本経済界の立志伝中の人物として知られる。逮捕の影響は計り知れない。

(文・構成=編集部)

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