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木下隆之「クルマ激辛定食」

新マツダ3、洗練され若々しさアップ!中回転域からのパワー強化、首都高の合流もスムーズに

文=木下隆之/レーシングドライバー
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2020年モデルのマツダ3

 マツダの誇るミドルサイズセダン「マツダ3」が、2020年モデルとして進化した。搭載するパワーユニットは、マイルドハイブリッドである。燃焼効率をさらに高めた新世代のガソリンエンジンに、コンパクトな電気モーターを組み合わせた仕様で、「eスカイアクティブX」と名付けられている。

 最高出力は180psから190psに改められた。最大トルクも224Nmから240Nmと強化されている。組み合わされるモーター出力は6.5psであり、最大トルク61Nmで変わりはない。正直に言って、数値上のインパクトは強くない。最大出力はわずか10psアップである。劇的な変化は期待できない――。試乗前は、そんなネガティブな思いであった。

 だが、いざドライブしてみると、数値以上の変化を感じたのである。極低回転域からトルクが立ち上がる。数値上のトルクというより、アクセル開度に対する反応が鋭いのだ。特に印象的だったのは高回転域の力強さである。これまでは、回転の上昇が始まるや否やパワーの盛り上がりが薄れた。それが2020年仕様のパワーユニットは、回転が積み重なっても伸びやかなのだ。回して気持ちいい。

 ドキドキと興奮を掻き立てられるようなエモーショナルな感覚ではないが、首都高速道路のランプウェイなどの合流がしやすい。慌ててフル加速せずに済む。バックミラーで後続車との間隔を合わせてやれば、スムーズに流れに乗れるようになった。

 パワーユニットだけではなく、操縦フィールも改善している。前後のスプリングやショックアブソーバーの減衰力をアジャストしたことで、クルマがフラットな姿勢を保つようになったのだ。前後のピッチングが優しくなり、視点の上下動が少なく感じるのは、その効果のような気がする。

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 ところで、マツダ3に設定されている4WDのセッティングにも手が加わったとのこと。今回は試乗の機会を逃してしまったが、よりアグレッシブなドライビングも可能になったというのだ。

 簡単にいえば、前後に分配される駆動トルクが、より後輪に分け与えられるという。これによって、旋回性能が際立ったとのことだ。もともと不整路を過激に攻め込むようなキャラクターではない。雪路ではそんな場面も少なくないが、ラリーを楽しむような走りを求めているわけではない。だが、低ミュー路で厄介な強いアンダーステアが低減しているという。よりドライバーズカーとしての資質を高めたのである。

 マツダ3は激しい走り味が特徴ではないものの、パワーユニットのレスポンスが研ぎ澄まされ、中回転域からのパワーが強化され、そればかりか車体がフラットに保たれるようになった。さらに、4WDではテールスライド気味のドライビングも許容する。そんな味付けの変化から想像するのは、マツダ3がより洗練され、若々しくなったということだ。

 どこか凡庸な印象が強く残るマツダ3だが、いかにもマツダらしく活発になったことは喜ばしい。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

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