レオパレス、施工不良物件の改修を先送り…逆ざや地獄で危機、オーナーに賃料減額要請への画像1
レオパレス21本社(「Wikipedia」より)

 経営再建中の賃貸アパート大手のレオパレス21は、施工不良物件の改修工事の完了を2024年末に先送りした。大きな不備があり改修工事が必要な施行不良物件は全国に約20万戸あり、このうち約4万戸の改修を終えている。

 21年1月以降の改修工事計画によると、6月までに6000戸程度行う。7月以降は入居者の退去状況を見ながら施工不良物件の改修工事を進め、24年末までにすべて完了させるとしている。

 これからは需要が見込める首都圏や地方の都市部の物件の改修を優先的に実施。全国一律体制を変える。春の住み替えシーズンをにらみ、入居者の確保がしやすい物件の改修を急ぎ、収入増につなげる考えだ。入居率の低下が続くなか、予定通り改修を実行できるかが課題だ。

入居率は採算分岐点の8割を割り込む

 レオパレスなど賃貸アパート各社は、郊外などの地主(オーナー)らに、相続税が軽減される点をセールストークにして、アパート経営を提案。地主が銀行から融資を受けて物件を建て、長期間、月一定の家賃を保証するサブリースの仕組みをとる。

 アパート所有者から一括で借り上げ、企業や個人へ転貸している。空室があっても所有者に家賃を支払う必要があり、入居率の低下は業績悪化に直結する。レオパレス21の場合、施工不良が発覚する前の18年5月までは、入居率は90%を超えていた。だが、改修作業の遅れがたたり、入居率を回復できていない。これに新型コロナウイルス感染拡大が追い打ちをかけた。景気悪化で社員寮として使う企業からキャンセルが出た。

 入居率が急落して以降、レオパレスの頼みの綱は外国人入居者だった。外国人の入居者は20年3月末で2万3000人と、この5年間で1万人近く増加した。個人契約に占める外国人の比率は1割を超えた。しかし、新型コロナウイルスのまん延で外国人留学生の入国がストップ。その影響を受けて20年5月以降、入居率は損益分岐点の80%を割り込んだままだ。

 21年1月末時点で物件オーナーから委託を受けている賃貸アパートの管理戸数は57万4068戸。このうち契約済戸数は44万8677戸。残り12万5391戸が空き室になっている。管理戸数に占める契約済戸数の割合が入居率になる。現時点の入居率は78.16%だ。

 つまり、入居者から受け取る賃料より、物件オーナーに支払う金額が大きい“逆ざや”の状態に陥っていて危機的な状態だという指摘もある。そのため、現状の保証水準の維持が難しくなり、オーナーに保証している賃料の見直し交渉に入った。21年春以後に更新時期を迎える物件について減額要請をする方針だ。

RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合