歌手でタレントのGACKTへの批判が収まる気配を見せない。
事の発端は2月10日、自身のYouTubeチャンネル『GACKTちゃんねる がくちゃん』で配信した「GACKTが愛犬を里子に出しました」とのタイトルの動画内で、自身の愛犬を知人に譲渡したことによる。
GACKTは、“ポーカーの師匠”と慕う土川鉄也プロの奥さんが、愛犬を亡くして落ち込んでいると聞き、自身の愛犬「フェンディ」をプレゼントして元気づけようと企画。5カ月間、一緒に過ごした愛犬を手放すことを寂しがりつつも、土川プロに「GACKTから無理やり犬をもらったら……。だったら断れないし、立ち直るきっかけにならないか」と持ちかけたところ、「嬉しい」と快諾されたため、奥さんにサプライズでプレゼントすることになった。
土川夫妻は号泣するほど感激していたが、「自分の愛犬をプレゼントする必要があるのか」「犬だって人間同様に心がある」「飼い主=親に捨てられた犬の気持ちを考えると苦しくなる」など、批判の声が殺到。
この動画は高評価が約7700なのに対し、低評価は3万6000(16日17時現在)と、視聴者は圧倒的にGACKTの行為を否定的に見ている。批判コメントが多く、荒れ気味になったことからGACKTはコメント欄を閉鎖。
その後、17LIVEやニコニコ生放送で騒動について、「僕のエゴでこの人たちを救いたいという気持ちだった」と釈明。寄せられた批判については、「その人のエゴと僕のエゴとは違う。みんなそれぞれのエゴでやっているので、何が正しくて何が間違っているかをいうつもりは毛頭ない」と述べ、個人個人で見解が分かれるとの認識を示した。
さらに、批判の声が収まらないことに対し、「僕が炎上させているのではなく、勝手にみんなが火をくべる」「人の庭で騒ぐな。喧嘩売りたいなら買ってやるからこいや」など、事情を知らない他人が好き勝手に批判することに不快感を示した。しかし、YouTubeのコメント欄を閉鎖したうえ、反省の姿勢を見せないGACKTに対して、ネット上はさらに批判の声が高まっている。
「批判されたらコメ欄閉鎖して逃げているくせに偉そう」
「二度とペットを飼うな」
「批判されても自分は間違っていないという傲慢な態度が鼻につく」
「謙虚に人の言葉に耳を傾けられない偏屈な人という印象しかない」
一方、フェンディを譲渡された土川夫妻もGACKTからプレゼントされたフェンディのおかげで夢のような楽しい日々を過ごしているなどと感謝を示し、事態の鎮静化を願っている様子だ。
だが、ペット愛好家からは飼い主の一方的な事情で譲渡することには批判の声が根強く出ている。
「2019年に動物愛護管理法が改正されました。改正点の中心は、マイクロチップ装着の義務付けや、幼齢の犬猫の販売規制など、ペット販売業者に対する規制ですが、ペットの飼い主に対する条項もあります。飼い主情報などを入力したマイクロチップを装着したペットを譲渡する場合、その情報の変更をしなければなりません。つまり、前提として、特別な事情がないかぎり、ペットを終生飼養するべき、という考えがあります。ペットは、一度買い始めたら、家族と同じです。自分の子どもを他人の家にプレゼントしないのと同じく、ペットも簡単に譲渡したりはしないでほしいと思います」(動物愛護団体関係者)
GACKTが、親しい友人を励ましたいという善意でプレゼントを企画したことは理解できる。だが、一度は家族として迎え入れた愛犬を他人に譲渡したことで、これだけ大きな波紋を呼んだという事実は、ペットを大切にしようとする機運が高まっている証なのかもしれない。
(文=編集部)