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危機でも成長し続ける会社と、危機に対応できない会社。その違いはどこにある?

新刊JP

 そこで、松岡氏は一定の効率性は維持しながらも、顧客が友人や知人に紹介したくなるような行動をとった人が、より評価される仕組みへと変えた。


 これこそ、まさに自社のコア・コンピタンスを見誤った形で制度が導入されたがゆえに起きた失敗とその改善例だ。人事の「仕組み・制度・施策」は、社員に企業理念の体現を促し、コア・コンピタンスを強化するようなものでなければならないのだ。

 

■危機に対応できる会社、できない会社の分かれ道


 松岡氏が語る、組織変革の常道は、まず組織の現状を分析し、「良い企業文化」と「良くない企業文化」をあぶり出す。そして、「理想の企業文化」をイメージし、その理想に辿り着くまでの課題を洗い出し、それをさまざまな「仕組み・制度・施策」へと昇華させ、1つひとつ実施していくことだという。


 とりわけ危機を乗り越え成長し続けるためには、時々の状況を打破するための「理想の企業文化」をイメージできることが重要だ。「理想の企業文化」は、企業理念を実現し、コア・コンピタンスを研ぎ澄ますためには、社員がどんな考え方を持ち、どんな行動をすることなのかを考え抜くことで見えてくるという。


 その理想を社員と共有し、社員一人ひとりが求められる考え方や行動の必要性を納得した時、企業はひとつの方向へと動き始める。その流れを促進させるものこそが、人事の「仕組み・制度・施策」なのだ。この理想の設定と共有ができるかどうかが、危機に対応できる企業と対応できない企業の分かれ道となる。


 本書を読むと、マネジメントの形がまるで違うリクルート、ファーストリテイリング、ソフトバンクの3社においても、危機を乗り越え、成長し続けるための共通項があることに気づくだろう。その一つは、危機に直面した時の、それを乗り越えるための社員の本気度だ。どの企業にも求められる社員を本気にさせる仕組み、人が自ら動き出す企業文化になるための道筋が示されている。


 また、この他にも「コミュニケーションは会社の強さを支える陰の主役」として、コミュニケーションの重要性、そして会議の効果を高めるための方法についても触れられている。実際に、リクルート、ファーストリテイリング、ソフトバンクという3社の事例を見ても三者三様で、会議で何を重視しているのかが異なる点が面白い。ここで紹介されている会議のコツは、オンライン会議においても活用したい内容だ。



 組織が硬直してしまうと、コロナ禍のような社会的な危機にも、社内で起きたクリティカルな問題にも対応できなくなってしまう。常に成長し続ける組織に変革するためには何が必要なのか。本書はその答えと方法を提示してくれる1冊である。(新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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