【鶏卵汚職】農水省、アキタフーズ会食参加の事務次官らを不問か…癒着を隠蔽の画像1
野上農相(農水省のYouTube公式チャンネルより)

「幹部の処分は適当に終わらせるのだろう」

 大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」から賄賂を受け取ったとして収賄罪で在宅起訴された元農相の吉川貴盛被告と同社前代表=贈賄罪で在宅起訴=との会食に同席していた農林水産省幹部の問題をめぐり、省関係者からは冷めた声が聞かれる。参加した幹部らは「吉川大臣が払ったと思う」と口をそろえるが、本当にそう考えているのか。説得力がなく疑わしい。

「記憶にない」は嘘?

 吉川被告が大臣退任直後の2019年9月18日に前代表と行った会食に、水田正和生産局長ら畜産行政を担う5人の幹部が会食に参加したとの疑惑が一部報道で浮上。吉川被告が在宅起訴された後の1月17日の東京新聞朝刊の一部を引用する。

<高級和菓子の土産も手にしたとされる官僚たち。五人とも本紙の取材に「出席した記憶がない」と口をつぐんだ>

 この五人とは、まさしく水田氏らのことを指す。政府関係者は「こんな大切なことを記憶していないのなら、彼らに政策なんて任せられない。白々しい話だ」と切り捨てる。省の聞き取り調査には参加したことを認めているのだから、報道機関の取材に対し、嘘をついたことになる。隠したいことでもあったのだろうか。

現次官も会食に参加

 実は鶏卵汚職に関連した会食は19年9月に加え、18年10月にも開かれていた。吉川被告が大臣に就任した直後の18年10月の会食には、枝元真徹事務次官が当時、生産局長として参加していたことが発覚した。枝元氏は「大臣から招かれた」と説明。前代表が出席していることは会場に行くまで知らなかったという。支払いは吉川被告が行ったものとの認識を示した上で、前代表との金銭のやり取りは否定している。

 役人のほか、広島県選出の衆院議員河井克行被告=公選法違反罪で公判中=はいずれの会食にも同席、農林族の重鎮である西川公也元農相は19年の会食に参加していた。

 野上農相は国会で「政策の話題は出なかったと聞いている」と答弁。では、会食の目的はなんだったのか。前代表はロビイストとして、国際機関が示したアニマルウェルフェアの基準案が業界に不利にならぬよう政治家らに働き掛けていたことは、関係者の間では周知の事実だ。共産党の田村貴昭衆院議員は、野上氏の答弁に対し「これだけのメンバーがそろっていてアニマルウェルフェアの話をしないわけがない」と反発した。

 しかも、さまざまな政治家に金をばらまいている前代表がいる傍ら、資金力が乏しいとされる吉川被告が高級料理店の代金を払うとは信じがたい。霞ヶ関関係者は「前代表が支払ったことくらい、小学生でもわかるのではないか」とあきれる。

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