「『文春』報道にある通り、正剛氏は本社の統轄部長であり、弊社の子会社である総務省認定の衛星基幹放送事業者『株式会社囲碁将棋チャンネル』の取締役です。囲碁チャンネルの取締役に関しては30代で就任しています。当人の社内での仕事ぶりや業績に関してはなにも言えませんが、個人的な感想として菅首相が総務相当時の大臣秘書官だった経歴と、なにより菅首相とのパイプがなければ、これほどのスピード出世はしていないと思いますよ。入社した2008年は弊社が衛星放送事業に力を入れ始めた頃と重なりますしね。

 社員採用に関して弊社はクリエイティブディレクターやプロデューサー、プランナーを目指す若い人にとって、実績と実力が問われる狭き門として知られています。総合職、クリエイティブ職の中途採用のハードルも高く、そう簡単に入社できる会社ではありません。

 正剛氏は政務秘書官をやる前はバンドマンだったそうなので、なにかしらクリエイティブなセンスがあったのかもしれません。しかし、頼みの綱の職歴である大臣秘書は9カ月で辞めている。20代の新人秘書が、その短い期間でなにか実績を築いたということなのでしょうか。いずれにしても、一般的な中途採用で入ってくる社員の経歴として、極めて異例だと思います」

就職氷河期世代、大学在学時からバンド活動

 ちなみに正剛氏は1981年生まれの就職氷河期世代だ。明治学院大在学中は「世界民族音楽研究会」に所属し、解散した音楽ユニット「キマグレン」のメンバーと組んでバンド活動をしていたという。当時の「世界民族音楽研究会」を知る同大OBは次のように語った。

「同時代に活動をしていた元『キマグレン』のISEKIさんは、今もセミ研(編集部注:世界民族音楽研究会の通称)だけではなく大学全体にとって伝説的な人物です。大学を去ってから、『キマグレン』を立ち上げ、いろいろ金銭面で苦労しながらも今もミュージシャンとして活動を続けていることで尊敬を集めています。当時は20社、30社面接を受けて全滅なんて当たり前の大不況・就職難の時代でしたから、音楽で一山当てようと意気込む同級生はたくさんいましたが、やっぱり別格だったと思います。

 いろいろな理由で大学時代のバンドは解散するものですが、それでも音楽を続けていくかどうかは、各人のクリエイティブな資質と志向性の有無によるのだと思います。ISEKIさんにはそれが間違いなくあった。

 世間一般では、成功しているのは正剛氏なのかもしれませんが、『文春』報道で正剛氏の記事と写真を見て、『ああ、なるほど。結局、こうなったのか』と少し残念な気持ちになりました。言えるのはそれだけです」

(文=編集部)

 

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