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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

三菱自-日産、連合解消の危機…三菱自・新会長に経産省OB就任、日産の意向無視

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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 三菱自は20年7月に発表した中期経営計画で岐阜県内の子会社パジェロ製造の工場閉鎖などを盛り込んだほか、同年11月には希望退職を募集し、計画より多い654人が応じた。池谷光司最高財務責任者(CFO)は今月の20年第3四半期決算会見で、固定費について「21年3月期までには18%削減するめどがたった」と話し、22年3月期までに2割削減するとした当初計画よりも進捗が早いことを強調。「21年3月期の黒字化は確実にできる」とした。

 ただ、三菱自社内では「いくら固定費を削減しようが所詮、攻めの戦略がない以上、来年度以降は収益を上向かせるのは難しい」(同社中堅幹部)と冷ややかな見方が少なくない。同社は昨年末に新型多目的スポーツ車SUV「エクリプスクロス」を発表したが、国内での販売目標は月間1000台と控えめで、とてもではないが全体の業績を押し上げるには力不足だ。

会長人事の影響で日産が技術提供をしぶる可能性も

 攻めの戦略を加速させるには、新車の投入ペースを速めるなどの施策が必要だが、三菱自単体では開発力も技術力も不十分なのはいうまでもない。そのため、アライアンス先の日産からの人や技術の支援が死活的に重要となってくるが、そこにきて、今回の会長人事である。日産から「そんなに三菱グループだけでやりたいなら、さっさと株を買い取ってアライアンスを解消すればいい」との反感を買うのは必定だ。ある全国紙記者は「今は日産が自社の建て直しに専念しなければならないから表だって不満を言わないだけで、一段落たったころに日産側からアライアンス解消も含めた交渉が本格化する可能性がある」と予想する。

 三菱自は頼りの東南アジアでも主力のタイでコロナが再拡大していることなどから、当面は業績の低迷が予想される。「呉越同舟」を絵にかいたようなアライアンスの一員として、三菱自の難しい舵取りをどうとるのか、加藤氏の手腕に注目が集まっている。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

【総務省接待】幹部総退陣で通信業界に大打撃…元凶は菅首相長男のコネ入社、側近壊滅の画像2●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや文春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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