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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~【絶望の自衛隊・2】

湯浅陸幕長の暴走、更迭か…閣議決定を無視し予算要求せず 後任候補の「入浴祭り」事件

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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 そんな竹本氏だが、18年8月から19年8月まで東京・練馬駐屯地の第1師団長を務めた際の同師団創立57周年記念行事では、陸自の「体育会系」丸出しの入浴支援「練馬の湯」が話題となった。

 19年5月19日に練馬駐屯地で開催されたこの行事では、往年のお笑いグループ「ザ・ドリフターズ」の楽曲『いい湯だな』を大音量でかけ、トレーラーを使用した災害時の野外入浴セットを披露。トレーラーだけを公開するのであればなんの問題もないが、なんとトレーラーには「男湯」と「女湯」ののぼりが立てられ、半裸の男性自衛官とかつらをかぶり女装した男性自衛官が実際に入浴したのだ。そのときの様⼦が、情報提供者から入手した以下の写真である。湯浅陸幕長の暴走、更迭か…閣議決定を無視し予算要求せず 後任候補の「入浴祭り」事件の画像2

 いかにも「体育会系」の身内の祭りという感じだが、女性自衛官からはひんしゅくを買っていたという。この行事開催の背景について詳しい陸自幹部はこう明かす。

「この行事は『人を癒す、人を直す、力強い』という、いかにも男社会の自衛隊というコンセプトで開かれたものですが、当時の竹本団長の歓心を買いたいだけの後方支援部隊長が企画しました。練馬駐屯地は都内で防衛省のある市ヶ谷に近いこともあり、中央の有力者が集まっており、竹本氏も『面白い余興だ』くらいに思って許可したとのことです。

 ただ、常識的に考えてこういう宴会芸のような醜態を一般人も参加できる公開行事でさらすこと自体、時代遅れだといわざるを得ません。自衛隊は女性自衛官も熱心に募集していますが、これをみてセクハラと感じるという視点がまるでない。トレーラーで入浴していた男性自衛官は気にしていないのかもしれませんが、今後、無理矢理やらされる人が出ないとも限らず、闘う組織で働く自衛官の尊厳を失わせる行為だといえます」

「体育会系」では自衛隊は中国に負け、米国にも見放される

 筆者はこれまで、湯浅氏、「ハカイダー」こと元第一空挺団長で運用支援訓練部長の戒田重雄氏などのパワハラ幹部に共通するのは「体育会系の人間関係」だと書いてきた。特に防衛大学で培われた先輩後輩の上下関係があまりに人事上の評価に影響を与えており、一般大卒などが公正に評価されていない。米軍では、軍人養成学校卒、一般大卒、社会人の3つのグループが均等な数で入隊しており、常に外部からの知識や感覚を吸収できる構造になっている。それに、「パワハラ」「セクハラ」などしようものなら厳罰が下る。

 ハラスメントが横行すると士気にかかわるばかりか、部下が建設的な意見を言えなくなり、どんどん隊の質が下がっていくのはいうまでもない。「やればできる」の根性論が横行しているのも問題で、ドローンのような最新機器を積極的に導入しないアンテナの鈍さも論外だ。

 湯浅氏は部下の言うことに聞く耳を持たず、戒田氏のようなお気に入りを、たとえハラスメントの明らかな「前科」があったとしても重用し昇格させてきた。これでは優秀でまともな部下ほど心を病んだり除隊したりするのは当然だ。挙句、“気分”で最重要同盟国の⽶国との共同訓練に協⼒しなかったばかりか、閣議決定された輸送艦導入についてワガママで予算要求せず「文民統制」の大原則を犯す始末だ。

 近年、中国が東シナ海で現状変更の圧力をかけてくるなか、米軍との協力関係が今後より重要視される。⽇本式組織の悪弊である「体育会系」を少しでも是正できる人物こそが、次の陸自トップに求められる最低限の素質だろう。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

湯浅陸幕長の暴走、更迭か…閣議決定を無視し予算要求せず 後任候補の「入浴祭り」事件の画像3●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや文春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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湯浅陸幕長の暴走、更迭か…閣議決定を無視し予算要求せず 後任候補の「入浴祭り」事件の画像4

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