SBI子会社、重大な懸案事項…デフォルト危機の問題融資先は小泉元首相の親密企業の画像1
小泉純一郎元首相(「首相官邸 HP」より)

 金融グループ・SBIホールディングス(HD)の子会社で、融資型クラウドファンディングを手がけるSBIソーシャルレンディング(東京・港区、以下SBISL)が危機を迎えている。2月5日、貸付先に「重大な懸案事項」が生じたとして突如、第三者委員会を設置。11日には読売新聞が、金融庁がSBISLに報告徴求命令を出したと報じた。

 2月18日発売の「週刊新潮」(新潮社)は、SBISLの問題の貸付先である太陽光関連会社「テクノシステム」(横浜市、社長・生田尚之)がデフォルト(債務不履行)危機にあり、小泉純一郎元首相との昵懇ぶりを右トップで報じている。早刷りが出回った17日夜、テクノシステムは従業員の大半を雇止めし“臨戦態勢”に入った。関係者によると、テクノシステムの負債総額は300億円におよぶとされ、今年最大級の倒産事件に発展する気配が出ている。

SBISL総融資残高の3割

 一般的に融資型クラウドファンディングでは、オンライン上のプラットフォームで太陽光発電所造成や土地開発などの投資案件が10%前後の高利回りで募集されている。集まった資金は、事業会社がプロジェクトのために組成した受け皿会社(ビークル)に融資されるスキームとなる。事業会社がプロジェクトに成功すれば金利と元本が償還されるが、プロジェクトに失敗しても、事業会社に元金を請求できない仕組みとなっている。

 したがって、借り手は形式的にプロジェクトごとのビーグルになるが、実際に資金を運用するのはテクノシステムなどの事業会社となる。

 本サイトがSBISLの運用中の融資案件を精査したところ、1月中旬時点の融資残高384億円のうち、実質的なテクノシステム向け融資案件は約130億円あることがわかった。前述の「週刊新潮」によると、テクノシステムはSBISLで調達した資金を返済するために、SBISLを通じて別のプロジェクト名目で資金調達し、償還に回す「自転車操業」状態に陥っていたという。

 実際、テクノシステムのビーグルが19年11月に、福島県で太陽光発電所を造成するとして約18億円を募集し、昨年11月末に投資家に償還しているが、実際は発電所は造成されておらず、売却による利益以外で償還されていたことになる。事業実施地の登記簿を見ると、債権者がSBIHDに変わっており、償還資金をSBIHDが肩代わりしたとみられる。

 他方、11月にテクノシステムは熊本県で太陽光発電所を造成するとして、SBISLを通じて40億円を調達している。つまり11月中に、福島県の案件名目で金利を含めた約20億円の資金が返済された同時期に、40億円が再度、投資家から集められたわけで、投資家とテクノシステムの間を資金が「いってこい」したことになる。

 この熊本県の太陽光発電所はここ数年、業界関係者の間で売り歩かれていた案件だ。もともと売電価格が40円だったが、林地開発許可の取得に難航。経産省による買取価格引き下げにより、売電価格が半値の21円となり、発電所が完成したとしても、投資商品としての魅力はほとんどなくなっていた。「売却による利益が見込まれなくとも、真の目的は工事代金の融資をソーシャルレンディングで引っ張ることにあった」(関係者)との見方もある。

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