
今やダイエッターや筋トレ民の主食ともいえる「サラダチキン」。脂肪分が少なく、ヘルシーでタンパク質が豊富という理想的な食品で、コンビニやスーパーでも気軽に買い求めることができる。さまざまなメーカーから多くの種類が販売されているが、その歴史は意外に古い。
サラダチキンを初めて商品化したのは、岩手県にある食品加工会社のアマタケだ。2001年に鶏胸肉の加工品を「サラダチキン」として販売を開始。当初は皮付きで販売していたが、2014年に皮を除いてカロリーを減らしたことでさらに人気が高まり、アスリートからも注目を集めるようになる。
13年にはセブン-イレブンとプリマハムがオリジナルのサラダチキンを共同開発し、販売開始。次いで14年にローソンがプライベートブランド(PB)商品としてサラダチキンを販売すると、残るコンビニ各社やスーパーも続々と同様の商品を開発していった。
富士経済の調査では、22年には300億円を超えるとされるサラダチキン市場。一見すると、各商品にあまり差がないように思えるが、よく見ると微妙な違いもある。そこで、今回はコンビニ各社のサラダチキンを食べ比べてみた(価格は税込み)。
セブン-イレブン「糖質0gのサラダチキン ハーブ(110g)」/213円
コンビニの中でいち早くサラダチキンを店頭に並べたのが、出店数トップをひた走るセブンだ。現在、味やサイズ別に11種類をラインナップ。今回は、最もスタンダードといえるハーブ味110gを検証した。
鶏胸肉にハーブをまぶしてじっくりと蒸し上げられており、食べてみると肉質がやわらかく、鶏胸肉特有のパサつきは皆無だ。噛むごとにハーブのエキスが染み出てくるので、何も付けずにそのままで食べても満足感がある。
ただし、そのやわらかさは、人によっては「水っぽい」と感じるかもしれない。チキンならではの歯ごたえや肉感を楽しみたい人には不向きだろう。ただ、糖質0gはダイエッターにはありがたいので、手軽にタンパク質を補給したいときは最適だ。
ローソン「サラダチキン ハーブ(115g)」/210円
セブンに次いで、サラダチキンの販売を開始したローソン。重量は115gとコンビニ大手3社の中では5グラム差で一番重く、かつ値段も安い。この時点で十分にコスパがいいと言える。
食べると、セブンと同様にしっとりしていて、胸肉のパサつきはない。ただし、今回検証した中では最も薄味だった。ハーブの香りこそするものの、セブンやファミリーマートほどの塩気はない。
それもそのはず、食塩は1.1gと表示されており、今回紹介する商品の中ではファミマと同率で最も低いのだ(セブン1.3g、ミニストップ1.8g、まいばすけっと1.9g)。推奨されている食塩摂取量は1日6g。塩分過多と言われる日本人にとって、ローソンのサラダチキンはありがたい存在だ。
逆にいえば主張が強すぎない味付けなので、サラダと混ぜてドレッシングをかけるなど、他の料理と合わせる優秀な脇役としても活躍してくれそうだ。値段、味、大きさを含めて、コストパフォーマンスに優れたサラダチキンと言えよう。