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小林敦志「自動車大激変!」

アルファード“激売れ”の裏で加速するクラウン離れの実態…エスティマからの乗り替えも

文=小林敦志/フリー編集記者

 ただ、そのような得意客についても、会社経営を後継者に引き継ぎリタイアすることで、クラウン以外のクルマに乗る人も多くなり、特に昨今では“免許を自主返納”する得意客も増え、マイカー自体を手放す人も増えてきているようだ。そして、新たに会社を引き継いだ後継経営者はクラウンにこだわることなく、ドイツ系高級ブランド車などに乗る人も多くなった。さらに、クラウン自体がそのようなドイツ系高級ブランド車に近いキャラクターを目指すようになったことも、ある意味“クラウン離れ”を加速させていったものと考える。

 そして、現行モデルでは今までのような“ロイヤルサルーン”や“アスリート”といったものがなくなり、さらに、従来に比べてかなりアクの強さが目立つようになった。そこへきて、2020年5月に全店併売化が実施されたことで、クラウンからアルファードへの代替えパターンが顕在化しているようである。

 アルファードは兄弟車の「ヴェルファイア」に比べれば、ユーザー年齢はもともと高かった。特に「孫たちも含め、親子三代でドライブに行きたい」とか、「気の合う仲間とゴルフに行きたい」など、プライベートでもアクティブに動きたい年配の富裕層がアルファードに興味を示していた。テレビニュースを見ていると、政治家の中にもアルファードを移動車として利用しているのが目立つ。アルファードは一般的なミニバンとは異なり、“クラウン的ミニバン”というキャラクターを持つことで、従来のクラウンユーザーも何の抵抗もなく使うことができるようである。

エスティマからアルファードへの乗り替えも

 アルファード人気を支えるもうひとつの動きとしては、「エスティマ」からの代替えである。エスティマはトヨタ店とカローラ店での扱いだったが、2019年に惜しまれつつ生産終了となっている。

 エスティマは1990年の初代デビュー以降、人気ミニバンとして君臨していた。そもそも、対米輸出を主眼に初代が開発されたこともあり、現役子育て世代以外、たとえば、クラウンのような高級感では少々満足できない富裕層や企業経営者なども好んで購入していた。見た目はかなり異なるものの、アルファードとある種“同じ匂い”のするクルマであった。トヨタ店やカローラ店では、生産終了後も大量に抱えるエスティマの既納ユーザーに勧める代替え車不在に頭を抱えていた。全店併売化まではトヨタ店とカローラ店はアルファードを扱っていなかったので、まさに“お手上げ”だったのである。

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23:30更新
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