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望月理恵子「耳が痛い食の話」

痔・肥満・日中の眠気、「ながらスマホ」が原因?トイレにスマホ持ち込みが絶対NGのワケ

文=望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士
痔・肥満・日中の眠気、「ながらスマホ」が原因?トイレにスマホ持ち込みが絶対NGのワケの画像1
「Getty Images」より

 車や自転車の運転中、駅や歩道の歩行中の「ながらスマホ」は、人とぶつかったり、思わぬ事故を招くため、大変危険とされています。実はながらスマホ、体調にも悪影響を及ぼすことがあります。ついやってしまいがちな行動ですが、今の健康の悩みの原因になっているかもしれません。

トイレでながらスマホ

 個室でゆっくりできるトイレ。つい、スマホを持ち込んで用を足している方も多いのではないでしょうか。

 しかし、それが痔を招いている可能性があります。便が出るまでスマホを見ながら、いきんでいると、肛門に負担がかかってしまい、いぼ痔やきれ痔の原因となります。特に便秘がちな方は長時間便座に座りがちですが、一度いきんで排便できなければ、トイレから出て、また便意があったときにトイレに行きましょう。

 また、心地よいからといってウォシュレットを長い時間あてていると、これも刺激となり、炎症を起こすことがあります。おしり、ビデともに10秒以内くらいが適当です。

 そして、トイレで便座に座っている時間は3分以内を目安にすると良いですね。トイレにはたくさんの菌が付着しているので、スマホにもその菌が付着することも考えられます。もちろん、新聞や雑誌などを持ち込んでのトイレも同様です。

食事でながらスマホ

 食事中にスマホを使いながら食べている方もよく見かけます。食事しながらスマホをしていると、肥満を招く可能性があります。食べるものを見て、香りをかいで、舌で味わいや舌触りを感じとり、食べている音を聞いて食べると、少量でも満腹と感じやすくなります。

 このように、視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚の5感は満腹感に影響を与えます。また、よく噛むことでも脳に刺激を与え、満腹感を得ることができます。その上、満腹感が長く続きます。

 しかし、スマホに集中して食事をしてしまうと、食べている感覚は二の次となってしまい、噛む回数も減って、早食いになりがちです。そして食べた感覚があまりないため、すぐにお腹が空いてしまい、肥満の原因となります。

 現代の食事は、ラーメン、オムライス、カレーなど咀嚼回数が少なくても食べられるものが多く、平均1食で620回の咀嚼回数、食事時間は約11分ほどとされています。ながらスマホではこれよりももっと少ない回数、時間と予測されます。戦前は雑穀米や根菜類などを食べる機会も多く、1食1420回の咀嚼回数、食事時間も約22分でした。

 よく噛むことは、消化をしやすく、血糖値上昇を穏やかにさせ、肥満を抑制させます。また脳に満腹という信号が伝わるのは食事をして20分ほどしてからなので、できるだけ戦前に近い咀嚼回数、食事時間に近づけたいですね。

 そのためには、まずは食事でのながらスマホをやめてみましょう。それがダイエットの近道です。もちろんスマホに限らず、テレビや雑誌なども同様です。

ベッドでながらスマホ

 寝る前にスマホを見ている方も多くいらっしゃいます。それが睡眠の質を下げ、不眠を招いている可能性があります。人は寝る際にはメラトニンという睡眠ホルモンが分泌され睡眠が促されます。しかし、寝る前にスマホを見ていると、そこから発する明るい光が脳に刺激となり、メラトニン分泌を抑制させてしまい、脳を覚醒させ、質のよい睡眠の妨げとなります。

 また、スマホに集中することで夜更かしの原因ともなります。睡眠不足は疲れが取れず、また日中の眠気にもつながります。できれば寝る1~2時間前にはスマホは使わないようにしましょう。もちろんスマホに限らず、テレビやパソコン、ゲームなども同様です。

 忙しい毎日のなか、便利なものがたくさんある世の中になり、つい片手間で色々としがちですが、トイレの時はトイレ、食事の時は食事、睡眠の時は睡眠、どれもその行動をしているときは、その行動に集中するのが体に良いのです。

 健康な体があるからこそ、テキパキと行動ができます。効率良く“ながら”をしているかもしれませんが、意外にそれぞれ集中して行うほうが“効率良く”できるかもしれません。思い当たる方は、まずは今行っている“ながら”をやめて、集中してみてはいかがでしょうか。

(文=望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士)

望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士

望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士

株式会社Luce代表、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員。ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。

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