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カプコン、コロナ下で社員に事実上の出社強要か…ゲーム業界、労働環境改善されない特殊事情

文=菅谷仁/編集部、協力=山岸純/山岸純法律事務所・弁護士
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リモートワーク中に感染したら自己責任?

 そもそもリモートワークが許されない状況は、昨年4月7日に発令された緊急事態宣言のころから継続しているのだという。宣言直後、ゴールデンウィーク前に同社開発部門の従業員に向けて行われた講話の録音データも寄せられたおり、その中で同社幹部は次のように従業員に語っていた。録音内容を書き起こして引用する。

「皆さんの中で、この現状にすごく不安をかかえている人はいると思います。遠慮なく自宅待機をしていただいて結構です。悪い意味ではないです。本当にそう思っています。

 その状態で働き続けることは難しい、とても難しいと。精神的に疲弊していくことを私たちは望んでないです。皆さんが健康で働いてくれることが一番の望みです。そこをよく考えてください。1カ月でも2カ月でも不安のある限りは休めばいい。

 ひとつ、大事なことを言っておきます。

 みなさんが自宅待機になった場合に、自宅待機中にもし感染されたとしても、どの企業も責任は負わないです。それは皆さんの自己責任ということになります。『休みたい、休ませてくれない』ではなくて、休ませるほうが簡単というのはそういうことです。

 自宅勤務していただいても、そこでの感染は皆さんの自己責任となります。ご自身で医療機関に行っていただき、検査をうけていただくしかないんです。把握しきれない、それが現状です。私個人はものすごく不安です。ここにいるメンバーが誰一人欠けることなく、来年も開発活動をしていってくれることが私の理想です」

 上記の講話で気にかかるのは、自宅待機を選ぶ従業員に対して「その状態で働き続けることは難しい、とても難しい」という部分と「自宅勤務していただいても、そこでの感染は皆さんの自己責任となります」の二点だろう。

 ハッキング対策やゲーム関連データの漏洩防止など、セキュリティー上の必要性もあり、同業他社の開発部門の社員も出社を余儀なくされている例は多い。

 リモートワークが可能かどうかは、各企業の経営判断もある。だが一方で、会社での集団感染の防止など、リモートワークが社会全体の感染拡大抑制に有効であることは昨年の緊急事態宣言発令の時点から指摘されていたし、「リモートワーク中にコロナにり患」したのなら、労働に関連して生じた病気などとして「労働災害」として認められる場合もあるだろう。少なくとも「我々は(編集部注:出社する)3割として日本経済を支えていく使命がある」という精神論的な出社理由が、社会にとって有益かどうかは議論が分かれるのではないだろうか。

 上記のような出社方針をとられている理由を聞いたところ、カプコン総務部広報IR室は次のように回答した。

「当社は、従業員の健康と安全に配慮した勤務体制の整備に努めており、新型コロナウイルスの感染抑止に向けては、時差出勤や在宅勤務の可能な範囲での適用、オフィス内のソーシャルディスタンスの確保、入退館口への検温器設置や従業員へのマスクの配布などに取り組んでおります。

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