20年11月、新型コロナウイルスの影響で先行きが見通せないとして、「未定」としていた21年3月期の連結業績が大幅な減収減益になると発表した。減収減益になるのは14年の東証1部上場以来初めてのことだ。

 本業では米国の求人サイト「インディード」が好調だ。「インディード」など「HRテクノロジー事業」は下期に売上高が前年同期と比べ約11%増えると予想する。求人広告数がコロナ前の水準に戻ってきた。

 一方、国内ではリクナビなどの「人材領域」の売上高が約28%減と予想。新型コロナの緊急事態宣言が再び発令され、結婚情報サイト「ゼクシィ」や飲食店予約サイト「ホットペッパーグルメ」が引き続き低調に推移する。これまで健闘してきた不動産サイトも販売できる住宅供給戸数が減り、広告出稿が減る可能性がある。

株式時価総額は10兆円の大台に王手

 株価は連日のように高値を更新し、2月25日には年初来高値の5568円をつけた。21年3月期の通期業績予想を上方修正したことが好感され、買いが集まった。14年10月に東証1部に上場した当日の時価総額は1.9兆円だった。今や9.1兆円(3月2日終値時点)。4.8倍になった。全上場企業中第7位である。

 12年に約1000億円で買収した米国の求人サイト「インディード」が株価上昇をもたらした。「インディード」が大半を占めるHRテクノロジー事業の営業利益は712億円と3年で約4倍になった。20年10~12月はHRテクノロジー事業の営業利益が全体の3割に達し、大黒柱に育った。

 日本企業の多くが海外M&Aで失敗するなかで、リクルートHDの「インディード」の買収は数少ない成功例である。凸版印刷、電通グループ、大日本印刷、TBSテレビ、日本テレビ放送網など8社が20年12月上旬、リクルートとの株式持ち合いを解消し、発行済み株式の6%弱、金額ベースで3700億円強の株式を売却したが、「インディード」効果から海外の投資家がすべて引き受けた。

 米国ではオンラインの求人広告や採用サイトで「インディード」がトップ。「インディード」のリクルートとして海外投資家がリクルート株を買った。時価総額で10兆円の大台に乗る日は近い。

(文=編集部)

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