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木下隆之「クルマ激辛定食」

スバル・フォレスター、1.8Lターボ「スポーツ」登場…雪道・泥濘地でも劇的な走破性

文=木下隆之/レーシングドライバー
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スバル・フォレスター、1.8Lターボ「スポーツ」登場…雪道・泥濘地でも劇的な走破性の画像1
SUBARU「フォレスター・スポーツ」

 SUBARU(スバル)が新開発の水平対向1.8リッターターボエンジンを発表したのは2020年のこと。スバルが力を入れて販売を訴求する「レヴォーグ」の大きな武器のひとつとしてきた。その自慢のパワーユニットを、SUV(スポーツ用多目的車)モデルである「フォレスター」に搭載したのである。

 興味深いのは、フォレスターのすべてのグレードが、新開発の1.8リッターターボに移行したわけではないことだ。これまで同様、スバルのイメージを牽引してきた2リッター+電気モーターの「e-BOXER」ハイブリッドは存続する。

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 フォレスターのグレードは豊富だった。ロングツーリングに適しており、コスト優位性も高い「ツーリング」と、クロスカントリー色が強調された「Xブレイク」、そして高級装備の充実した「アドバンス」がラインナップされており、さまざまな趣向に応えてきたのだ。

 だが、むしろパワーユニットが共通していたことから、選択に迷うこともあった。それが今回、新たに「スポーツ」がラインナップに加わった。新開発の1.8リッターターボはスポーツ専用であり、ひときわ個性が際立ったのである。

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 スポーツと命名されるだけあり、パワースペックはいっそう引き上げられている。電気モーターの力を借りずとも、最高出力177ps/5200~5600rpm、最大トルク300Nm/1600~3600rpmを絞り出す。電気モーターのアシストを借りる「e-BOXER」よりも、はるかに強力なのだ。

 それゆえに加速力は際立っており、いかにもターボチャージャーが介入している感覚が強い。低回転域では多少の間が存在するものの、回転計の針が高まると一気にターボパワーが炸裂する。全域フラットな抑揚のない特性ではまったくなく、アクセルペダルの踏み加減や速度に比例して、パワーが積み重なっていく印象である。躍動感はひときわだ。

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 今回はあえて雪国でのドライブに挑んだが、勾配の強い山坂道では特にありがたい。ターボゾーンに突入すると、サラブレッドの手綱を緩めたかのようにグイグイと力強く駆け上がっていくのだ。

 フォレスターはもちろん、スバル伝家の宝刀である「シンメトリカルAWD」採用する。パワーユニットは水平対向だから、左右のバランスが整っている。左右に等速で伸ばされたドライブシャフトが前輪駆動、プロペラシャフトを経由してリアに導かれたドライブシャフトで後輪を駆動、左右対象の駆動バランスが魅力である。

 足元がおぼつかない雪道でも、4輪が路面をかきむしる。おだやかな走りをしている限り、たとえ滑りやすい雪路でも安定して走れた。

 さらに雪が深くなれば、「Xモード」が機能する。「スノー・ダート」モードにアジャストすれば、滑りやすい路面の走破性が高まる。といっても、よほどの悪コンディションでなければ「ノーマル」モードで十分なのだが、よしんばスタックが心配されるような場面でも、「ディープスノー・マッド」モードが控えている。フロアを底打ちするような新雪からも脱出できたし、今回は試せなかったものの、泥濘地からの踏破性も期待できる。まさに雪国育ちのスバルの真骨頂である。

 これまでもフォレスターは、悪路に強いと高い評判を得てきた。だから今回、1.8リッターターボを搭載する「スポーツ」が加わったことで、さらにそのキャラクターが強調されたような気がする。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

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