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五輪ボランティア、宮城で3分の1が辞退?2人の仕事を1人で?IOC迷走で自治体が混乱

文=菅谷仁/編集部
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 では、実際に参加するボランティアの仕事量はどうなるのか。また組織委による海外客の受け入れ制限方針の決定など、新しい動向に関して、地元自治体はどのように考えているのだろうか。

試合会場の想定観客数が不明→ボランティアの充足数も不明に

 宮城県オリンピック・パラリンピック大会推進課の担当者は次のように語る。

「まず、宮城県の都市ボランティアは当初計画として1300人の定員で募集をし、約2000人の応募がありました。その後、2019年にボランティア参加者に義務化されている1回目の共通研修会を開き、それに来ていただいたのが約1700人でした。報道されている記事で語られている母数の『1700人』とはこの方々を指しています。

 今回はこの1700人の方に2回目の『役割別の研修』を受けていただくために、『研修を受けていただけますか』とお聞きしました。記事は『研修を受ける』イコール『ボランティア活動をする』ということで解釈されているのだと思います。

 『この数で足りるかどうか』に関しては、一概に今、判断するのは難しい状態です。

 まず外国からのお客さんが来ない可能性が高いということと、各試合の観客数を当初計画通りフルで想定すればいいのか、もしくはソーシャルディスタンスなどの観点を踏まえて50%で設定するのか、はたまた70%にするのか、まったくわからないからです。ただ、競技が開催される地元の自治体として、(編集部注:五輪組織委などから特段の指示がない限り)観客がフルに入った時の準備をしなければなりません。

 河北新報社さんには、観客の入場制限なしで運営するためには1100人ぐらいでギリギリのラインではないかというお話をしました。さきほどお話した通り、当初計画ではフルにお客さんが入った状態で1300人のボランティアが必要と考えていました。そこから200人減っているので、3人で活動していただく部署を2人に、2人のところを1人にするしかないという可能性があるということです。

 またボランティアは活動期間3日で募集していたのですが、『4日動けますよ』という方には4日活動していただくとか、工夫をしてなんとか人数が減っても回せるように考えているところです。

 ちなみに欠員分の追加募集をすると五輪の規則で研修をもう一回受けていただく必要が生じます。つまり、また最初から研修を用意しなくてはいけなくなってしまうのです。(編集部注:研修会場の確保や追加募集の労力を考えると)そこは避けたいです。

 ボランティアをお願いするために、ボランティアをお願いすることになってしまう。そのため、再募集は厳しい状況です。『研修会に参加するかわからない』という方も含めて、アクセスをかけてできるだけ人数を減らさないようにお願いするというのが我々のスタンスです」

 開会式まで間もなく4カ月を切ろうとしているが、IOCや五輪組織委の方針は具体性を欠いたままだ。五輪に関係する多くの人々が宙ぶらりんのまま、貴重な時間だけが過ぎ去っていく。コロナ感染症防止に関する明確な説明もなく『参加』と『辞退』の選択を迫られるボランティアも、司令塔不在で矛盾を感じながら当初計画通りの準備を迫られる自治体も、たまったものではないだろう。

(文=菅谷仁/編集部)

 

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