NEW

コロナ禍で「お墓・葬儀」事情も激変…香典・お布施の額は?ペットとの埋葬の相談も増加

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント
【この記事のキーワード】, , ,

「以前から多い質問のひとつである、葬儀や法事の『香典』は、今やインターネットで簡単に目安金額を確認できます。ただし、血縁関係だけでない親しさの度合いなどが、ネット情報ではピタリと合致しないため、自分と相手との関係、これまでの付き合いなどを細かくお話しされ、『この場合はいくら?』といった、より個別性の高い具体的なご相談となっています」(同)

 近年増えているのが、「永代供養墓」や「墓じまい」の相談だ。

「当社では、お墓の引越しや墓じまいに関するガイドブックを無料で提供しています。資料請求の連絡をいただく方の多くは、『子供がいないので、墓を継ぐ者がいない』『お墓のことで息子や孫に負担をかけたくない』などの悩みを持っています」(同)

「子や孫に負担をかけない」意識は強い

コロナ禍で「お墓・葬儀」事情も激変…香典・お布施の額は?ペットとの埋葬の相談も増加の画像2
「改葬」の理由は「身体的負担」「将来、子や孫に負担をかけたくない」が多い(写真はイメージです)

 一般消費者の声も聞いてみた。「両親も元気で葬儀事情については不勉強」と前置きする会社員の男性(30代前半)は、「子どもを持つ立場では、お墓・葬儀で子どもに負担をかけたくない」と話す。まだ現実感は薄いが、積立型の金融商品なども気になるという。

 数年前の取材で、当時60代後半の自営業の男性(著述業)は、こう話していた。

「生家近くのお墓を『墓じまい』しました。親も九州から東京に呼び寄せ、現在は親戚付き合いもほとんどない状況です。現地に行くまで時間と費用もかかるので、東京都内の自宅近くにお墓を移したのです。ずっと気になっていたので、スッキリしました」

 年齢や個人差で切実度が違うが、子や孫に負担をかけたくないという思いは同じだった。

 厚生労働省の統計では、2009年度は7万2050件だった「改葬」件数(お墓や納骨堂に納めた遺骨を、ほかのお墓や納骨堂に移すこと)は、2018年には11万5384件と10年で約1.6倍に増えた。大野屋には「お墓の引っ越しサービス」事業もあり、他の業者も手がけている。

生花祭壇やリビング葬…中身も多様化

 高齢化や核家族化、時代の変化もあって、葬儀へのニーズは多様化している。身内中心で故人を見送る「家族葬(密葬)」や、通夜や告別式をせずに火葬のみを行う「直葬」を選ぶ人も増えた。長年、通夜の翌日に告別式の形式が続いたが、告別式のみの「一日葬」も多い。

 故人の親族や友人も高齢化が進み、参列できないケースも目立つ。「墓じまい」はそうした意識の延長線上にあるが、完全になくすのではなく、多くはなんらかの形で供養している。

 また葬儀場所も、平成の初期から「自宅」「寺院」ではなく「〇〇会館」や「セレモニーホール」などの葬祭会館に移り、現在はこちらが主流だ。

 葬儀のやり方も変わってきた。昔ながらの白木祭壇ではなく、色とりどりの花で祭壇を飾る生花祭壇が主流となった。だが、いずれの流れも、大都市圏と地縁を重視する地方では温度差があることは補足しておきたい。

 大野屋には「リビング葬」もある。これは親族や友人・知人など親しい人が、お別れ時間を自宅に近い形で過ごすことができるもので、専用式場「フォーネラルリビング小平」「同横浜」もある。遺体を安置するリビングルームのほか、食事ができるキッチン・ダイニング、休憩もできる和室、シャワールームやクローゼットも備える。

 従来型の遺体安置場所とは違い、温かみのある空間で故人を偲ぶことができそうだ。

RANKING

17:30更新
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合