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セブン「おにぎり」消費期限2倍に延長で湧く疑問…実は保存料不使用、徹底した経営努力

文=A4studio
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「食品ロス問題」は店頭だけで起きている問題ではない

 信田氏いわく、「『食品ロス問題』は製造から販売までのあらゆる時点で起きている」そうだ。

「店舗でのロスを抑えるということだけではなくて、サプライチェーン全体、セブンに関していえば、原材料の輸入、加工、炊飯工場など、あらゆる工程で食品ロスは発生しているので、そうした上流工程からロスを抑えていかなければなりません。

 例を挙げると、販売店舗から午前11時に発注を受けた工場があった場合、一番早い便で午後9時には納品しなければならず、これは店舗と工場間での取り決めとなっています。つまり、工場はわずか10時間で炊飯・成形・包装・配送をこなさなければならない。さらに、アレルギー物質の混入を防ぐために、中に入れる具材の調理ごとに『サニテーション』と呼ばれる大掛かりな清掃も必須。そのため工場側はどうしても大量の発注がきた場合に備えて、原材料を多めに用意しておく『見込み仕込み』をしないと、この10時間での納品に差し障りが出る可能性があるわけです」(信田氏)

 こうした製造過程での食品ロスには「3分の1ルール」と呼ばれる日本独自の慣習も大きく影響しているという。

「これは、例えば『作ってから3カ月の賞味期限がある商品』の場合、工場から小売店に納品するのに1カ月、続く店舗では1カ月間販売し、続く消費者には購入してから1カ月間に消費してもらうという、小売業界での暗黙の目安のことです。その目安を超えてしまうと、まだ食べられるにもかかわらず廃棄に至る率が増大し、これが多くの食品ロスにつながっているという指摘があるんです。

 ではなぜ、そうせざるを得ないかというと、それを破って販売すると日本の消費者は『古いものを売っている!』と買わなくなるんです。かつてイオンがこのルールを撤廃して、販売期限1週間前のものも売るようにしたときもこうした反応が多く、反発されてしまいました」(信田氏)

 確かに、日本人の消費者にはわざわざ商品棚の奥から消費期限の長いものを引っ張り出して買う人も少なくない。

「そもそも、消費期限が近いといっても、安全に食べられる『販売期限』内のものですから、安心して手に取って大丈夫です。セブンでは1日9回、鮮度チェックということで『販売期限』が過ぎた商品が紛れていないか確認をするようにしています。こうした企業側と消費者側の、“表示期限”に関する認識のズレも食品ロスの大きな要因になっているわけです。

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23:30更新
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