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セブン「おにぎり」消費期限2倍に延長で湧く疑問…実は保存料不使用、徹底した経営努力

文=A4studio
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 今回のおにぎりの消費期限延長は、こうした消費者心理への回答でもあり、先に述べた製造過程での無駄をギリギリまで切り詰めた努力の結果ともいえるでしょう。またコロナ禍の影響で店舗への来客頻度が激減しているなかで、食品ロスを削減しようとする側面もありますね」(信田氏)

今後求められるのは業界、司法、消費者の意識変革

「食品ロス問題」改善への鍵は企業の努力だけではなく、さまざまな立場からの変革が必要だという。

「食品ロス問題の要因は、消費者の行動、さらにいえば、行政や司法にも存在します。具体的には、セブンではお店で出た廃棄物を全部回収して再生可能エネルギーや家畜への飼料に再生・転用する取り組みをやろうとしたことがあるんです。納品するトラックで同時に廃棄物も回収するという具体的な方法も検討していたのですが、これが『廃棄物処理法』に抵触してしまうことがわかり、不採用にせざるを得なかったんです。また、同法は、各地方自治体でも細かな取り決めがされており、市をまたいでゴミを移動させることはNG。こうした法律が食品ロス問題改善での壁として立ちふさがっているのも事実です」(信田氏)

 最後に、信田氏は今後の業界の食品ロス問題について、こう指摘する。

「法律面での改善に関していえば、選挙の票にならないことには動きが鈍いのもまた事実で、迅速な発展へはつながりづらい印象です。だからこそ、企業は不断の努力をこれからも続けていかねばならないですし、こうした問題意識に関して、有権者である消費者の方たちに変革を望む意識を持ってもらうことも大切なように感じます」(信田氏)

 おにぎりの消費期限延長からみえてきたのは、セブンが抱える食品ロス問題への苦悩と変革の意識だった。物を食べるという当たり前の行為から広がる世界に、もう少しだけ視線を延長すれば、世界が変わってゆくきっかけになるのかもしれない。

(文=A4studio)

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