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木村隆志「現代放送のミカタ」

『天国と地獄』『俺の家の話』TBSドラマの一人勝ちが続く本当の理由…他局と何が違う?

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
『天国と地獄』『俺の家の話』TBSドラマの一人勝ちが続く本当の理由…他局と何が違う?の画像1
日曜劇場『天国と地獄 ~サイコな2人~』|TBSテレビ」より

 現在、2021年最初のクールとなる冬ドラマの最終話が次々に放送され、その結末にさまざまな声が飛び交っている。なかでも放送前から早くも「ロス」の声が挙がっているのは、視聴率争いで独走する『天国と地獄 ~サイコな2人~』と、ネット上の話題がトップクラスの『俺の家の話』。

 どちらもTBSのドラマであり、『半沢直樹』『MIU404』『私の家政夫ナギサさん』『テセウスの船』『恋はつづくよどこまでも』などヒット作続きだった昨年に続いて「TBSの一人勝ち」と言われているが、あらためてどこが優れているのか。

 そして、他局のドラマとは何が異なるのか。最終話を前にした両作をベースに、その理由を掘り下げていきたい。

連ドラの醍醐味と昭和の王道

 真っ先に挙げておかなければいけないのは、両作がオリジナルであり、だからこそ「現在の視聴者ニーズを反映させたプロデュースがしやすかった」こと。

 今冬にプライム帯で放送されているドラマのうち、TBSは『オー!マイ・ボス! 恋は別冊で』も含めた3作すべてオリジナル。日本テレビとテレビ朝日も3作すべてオリジナルだが、「ベテラン脚本家が自由に書きすぎて視聴者が引いてしまった」、あるいは「定型的な1話完結の刑事ドラマで注目度が低かった」という結果に終わった。

 また、フジテレビ系のドラマは、脚本・演出などの点でTBSに次ぐ評判を得ていたが、3作中オリジナルは0作。「何が起きるかわからない」「先が読めないから考察したくなる」という心理状態にさせられず、TBSほどの熱狂度は生み出せなかった。

 その点、TBSの『天国と地獄』は、脚本に「彼女にハズレなし」と言われる森下佳子を起用して、ミステリーを徹底的に追及。男女の入れ替わりという入口こそ凡庸だが、すべては謎が謎を呼ぶ展開と終盤に生まれる絆のためであり、「回を追うごとに目が離せなくなる」「登場人物に愛着が湧く」という連ドラの醍醐味を感じさせている。

 一方の『俺の家の話』も、脚本に熱狂的なファンを持つ宮藤官九郎を起用。ただ宮藤の作品はクセが強いため賛否が分かれやすいのだが、当作は彼らしい脱力的な笑いを散りばめつつ、昭和の頃を思い起こさせる王道のホームドラマに仕上げた。そのため、昭和のホームドラマがそうであったように、劇的な展開がなくても視聴者を「あの家族を見ているとホッとする」という心境にさせられている。

ヒット傾向と脚本家のコントロール

 さらに特筆すべきは、近年のヒット傾向を踏まえたプロデュース。

 1年前の『テセウスの船』(TBS系)や、その前の『あなたの番です』(日本テレビ系)がそうだったように、現在は事件の真相と黒幕の考察合戦を楽しみたい視聴者は多い。その点、『天国と地獄』は、メインの綾瀬はるかと高橋一生に加えて、柄本佑、中村ゆり、迫田孝也、岸井ゆきの、中尾明慶、田口浩正、浅野和之ら、犯人役を演じられそうな演技派を揃えて考察を促進させていた。

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