
民放の中で視聴率最下位のテレビ局が「テレビ東京」であることは周知の事実であり、自明の理だ。しかし、その中でも意外な人気番組がある。
それが、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46という、いわゆる“坂道グループ”による冠バラエティ番組だ。しかも、これらは視聴率的にはあまり期待されていない日曜深夜枠で奮闘を見せているという。
「基本的に、深夜帯はテレビ局が最も力を入れない枠。加えて、日曜の深夜は人々は翌日の学校や仕事に備えるため、夜ふかしはしない傾向にある時間帯です。しかし、発想の転換というべきなのでしょうか。テレ東は逆に、そんな“不毛地帯”に最強コンテンツを並べているのです」(テレビ局関係者)
アイドル好きを離さない90分
他局と一線を画する戦略で独自の存在感を見せる、テレ東らしいアプローチというべきか。いずれにしても、先陣を切るのが乃木坂46のメンバーによる『乃木坂工事中』(略称・乃木中)だ。同番組の放送は、明けて月曜0時から0時30分。
『乃木中』が終わり、番宣番組が5分入った後に始まるのが、『そこ曲がったら、櫻坂?』(略称・そこさく)だ。2020年10月にスタートを切った、櫻坂46による番組である。同番組が0時35分から1時5分。
『そこさく』の後にすぐ始まるのが、成長著しい日向坂46による『日向坂で会いましょう』(略称・ひなあい)。同番組が1時5分から1時35分だ。これら3番組で合計90分。アイドル好きは絶対に目が離せない“縦ライン”だろう。
視聴率で日テレに勝利?
では、気になる視聴率について見てみよう。
「2月21日の数字を見ると、『乃木中』は世帯2.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人1.0%でした。続く『そこさく』は世帯1.7%、個人0.7%。『ひなあい』は世帯1.5%、個人0.7%となっています」(同)
この“0コンマ”という数字だけを見てしまうと低調に思われるかもしれないが、深夜0時過ぎ、しかも日曜ということを考えると、そうとは言えない。それどころか、『乃木中』や『そこさく』の世帯視聴率のように、2%前後を獲るのはかなり難しいという。そもそも、普段は接触率が少ないテレ東に視聴者がチャンネルを合わせていること自体が“奇跡”と言えるのである。
そして、このグループの中で最も弱いと言われている櫻坂46も、間に乃木坂46と日向坂46が挟まれている好影響か、遜色ない人気を誇っている。
「各番組のカラーがまったく違っているところも、視聴者を飽きさせない要因でしょう。実は、この3番組は構成作家などのスタッフがほとんどかぶっているのですが、うまく彼女たちに合った企画が生まれています。さらに、たとえば『THE突破ファイル』(日本テレビ系)といった、彼女たちが時々出演する他番組もうまくイジってくれるなど、ファンにとっては楽しめる要素が多いのも見どころです」(同)
では、この時間帯の他局の視聴率はどうなのだろうか?