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メジャーリーガーたちの“センバツ”…大谷翔平&山口俊、屈辱をバネにプロで飛躍

文=上杉純也/フリーライター

 ところが準決勝で悪夢が待っていた。雨中の決戦となった日本大学第三高校(東京)との強豪対決は5-4と、広陵がわずか1点のリードで迎えた8回裏。バント処理の際に足を滑らせた有原が一塁に悪送球し、同点に。さらに有原の後を受けて登板した2投手も相手打線の勢いを止められず、一挙に10失点を喫してしまったのだ。結局、有原は7回3分の1を投げ、被安打13、与四球5、奪三振7、失点12、自責点8。チームも9回表の反撃及ばず9-14と壮絶な大逆転負けで散ることになった。

 それでも、この大会で有原は33回3分の2を投げ、被安打26、奪三振37、失点18、自責点9、防御率2.41。のちのメジャリーカー誕生を予感させる好成績を残している。

菊池雄星(シアトル・マリナーズ)

 3人目はこの2人の成績を超えた左腕である。シアトル・マリナーズの菊池雄星だ。2008年に花巻東高校(岩手)のエースとして出場。最速149キロを誇る“みちのくの剛腕サウスポー”として大会前から注目の存在だった。

 菊池は初戦からその前評判に違わぬ投球を披露する。北海道鵡川高校相手に最速152キロを記録し、8回2死まで完全試合ペースという圧巻の投球を見せた。結局、被安打2、奪三振12で5-0の完封勝ちを収めたのである。

 この快投で勢いに乗った菊池は続く3試合で22回を投げ、被安打16、奪三振25、失点2という驚くべき投球内容でチームを決勝へと導いた。岩手県勢として、春夏通じ初めて甲子園の決勝戦を戦うこととなったのだ。

 決勝の相手は、大会屈指の右腕・今村猛(広島東洋カープ)を擁する清峰高校(長崎)。予想通り、この2人の投げ合いとなったが、菊池が喫した7回表の1点が決勝点となり、り、0-1で惜敗してしまう。春夏通じて岩手県勢、そして東北勢の初優勝はならなかった。

 それでもこの大会、菊池は5試合で40回を投げ、被安打25、奪三振41、失点3、自責点1、防御率0.68という素晴らしい成績を残した。

大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)

 続いては“暗”である。その最初の1人目が“二刀流”の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)だ。

 2012年に花巻東高校(岩手)の剛速球エース兼猛打の4番で出場。まさにチームの大黒柱で、もちろんこの年のセンバツの目玉だった。だが、組み合わせ抽選の結果、大谷は“もう一人の目玉選手”と初戦で対戦することになる。大阪桐蔭高校のエース右腕・藤浪晋太郎(阪神タイガース)である。

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17:30更新
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