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木村誠「20年代、大学新時代」

東京都立大学を上回る“マンモス”大阪公立大学の誕生で関西の受験勢力図は激変か?

文=木村誠/教育ジャーナリスト

 大阪府大、大阪市大ともに大幅な人件費削減と学部の再編統合を進めてきたが、自ずから限界がある。そこで両大学が統合すれば、学部・教育のスケールメリットが生まれ、旧帝大系がほとんどの基幹大学に迫るレベルになる。教員数や学生数では、公立大ではダントツの1位になる。医学部のない東京都立大に差をつけることができる、というわけだ。

 当面、1法人で「関西圏で神戸大学を抜くこと」をファーストステップにする。スケールの面では、神戸大をターゲットにするのはそれほど難しいことではない。ただ、偏差値で神戸大を抜き去るには、大阪府だけでなく近県の優秀な受験生を集める「関西圏の学力レベルの高い学生の囲い込み戦略」が不可欠になる。

 将来、大阪大と大阪公立大が統合することになれば、大阪の知的インフラは大きく整備されて、成長戦略の要となる。それが、大阪都構想のひとつのキーポイントだったのではないだろうか。都構想は崩れても新大学は誕生し、それは関西圏の受験地図を大きく変えることは間違いない。

関西圏の受験地図はどう変わるのか?

 2022年以降はコロナ禍から抜け出しているであろう、という想定の下に、関西圏の受験地図はどう変わりそうか、予測してみたい。

 受験生やその保護者にとって、コロナショック(家計上の経済的打撃)、コロナ前の大学イメージの変貌、首都圏のコロナ災害イメージなどの影響は大きい。基本的に、「わざわざ関西から首都圏の早慶などを受けに行く学生」は減るという予想は共通している。長期的には、本社機能の一部を淡路島に移転させている人材派遣大手のパソナグループのように大企業の東京離れが進行し、就活でも必ずしも東京有利とは言えなくなりつつある。さらに、首都圏の私立大学の定員抑制策は今後も続くであろう。

 コロナ禍によるオンライン授業は今後も一定程度定着し、対面授業との「ハイブリッド大学教育」の拡大で、下宿生よりも自宅生を選ぶ受験生の比率は今後高まるとみられ、それも東京離れを加速させる可能性がある。

 以上を背景に、大阪府の「学力レベルの高い学生の囲い込み戦略」は「大阪大または大阪公立大(第一志望群)」と「関西大学・近畿大学・立命館大学(OIC)(併願校)」を軸に展開しそうだ。

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17:30更新
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