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年功序列が崩壊、会社のパーツ人間は不要に…“給与クライシス”に勝つサバイバル術

文=真島加代/清談社
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「1980年代までは、どの業界も給与額にあまり差がなかったのですが、90年代のバブル崩壊以降に業界格差が大きく広がりました。たとえば、介護報酬という収入の“天井”が決まっている介護福祉サービスの業界は、利幅が少ないので給料がまったく上がらない状況です。一方、不動産や商社はビジネスで動く金額が大きく、収入に天井もない。このまま何も変わらなければ、業界や企業間の格差がどんどん広がり、極端な二極化が進みます」(同)

会社の“パーツ人間”は淘汰される時代に

 平康氏は「会社に面倒を見てもらう時代はもうじき終わる」と警鐘を鳴らす。中でも“会社のパーツ”として働いてきた人は、窮地に立たされるという。

「これまでは上から言われた仕事をして、習熟度を上げて会社の“パーツ”として働き、年功で昇給していく仕組みが主流でした。しかし、年功序列が崩壊すれば、パーツのままでいても給料は増えなくなります。それどころか、コンピュータがトレースできる技術職やルートセールスの営業職は、AIやロボットに取って代わられて仕事を失う可能性が高いでしょう」(同)

 パーツとして働いてきた人の特徴は「働いた時間=お金」と捉えていることだ。残業をしてでも“仕事の質”を高めることにこだわり、会社の利益よりも「どうしたら残業代がつくか」と考える傾向があるという。

「リモートワークでは働いている姿が見えず、就業時間の管理も曖昧になりました。そうなると、企業は働いた時間ではなく、仕事の成果を重視するようになります。ここで言う仕事の成果とは、品質の高さではなく、現実的に儲けているかどうか。お金を稼ぐということの本質は、お金を払ってくれるお客さんが求めているものを考え、自分で価値を生み出して、提供するための努力をした結果です。そもそも顧客はあなたが残業してまで品質を上げた仕事を求めているのか、考え直す必要があります」(同)

 パーツ的に働いている人は、時間をかけて質を上げる思考にとらわれているため、「長時間働いたのに残業代がつかない」などと自分が受け取る給与だけに目を向けがちだ。

「特に仕事に慣れて現状に満足している人は、チャレンジをしないパーツ人材になっている可能性が高いです。コロナショックによる働き方の変化を乗り越えれば成長できますが、パーツ思考の人は変化を嫌うので取り残されてしまうかもしれません」(同)

『給与クライシス』 「毎日まじめに働いていれば少しずつでも給与が上がる」。コロナショックによる社会変化によりそんな古い仕組みが過去のものになりつつある今、会社員はどのように生涯のキャリアを考えるべきか? ジョブ型とメンバーシップ型の給与体系の違い、テレワーク時代に評価されるスキル、転職先の選び方や学びなおしのヒントまで、人事のプロが解説する。 amazon_associate_logo.jpg

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