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皇位継承のあり方有識者会議メンバー・中江有里の正体…アイドル冬の時代が生んだ怪物

文=峯岸あゆみ
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2021年1月27日には、なんと28年ぶりにアルバムを発売。写真は、中江有里3rdアルバム『Port de voix(ポールドヴォア)』(ユーキャン)のジャケット。

連続ドラマ主演は2作品で途切れるが突然、報道番組のサブ司会者に起用される

 1997年10月、中江有里にとってキャリアの転機ともいえる仕事がスタートする。日曜朝の報道番組『サンデーモーニング』(TBS系/当時は『新サンデーモーニング』)へのレギュラー出演だ。当時23歳の中江がサブ司会のような扱いで起用され、関口宏の隣に座るようになったのだ。

 1987年開始という長い歴史を誇る同番組は、TBSのアナウンサーではない女性キャスターがサブキャスターを務めることがほとんどだが、中江のポジションは、それとも異なり、番組史上ほかに例がない独自のものだった。

 当時の中江は、公に執筆活動を開始しておらず、もちろん「有識者」という評価を得るよりもはるか以前。かなり唐突で不思議な印象のキャスティングだったが、彼女は与えられた役割をそつなく果たした。生放送、しかもジャーナリストや学者、専門家がズラリと並ぶ環境で、社会のシリアスな出来事に対する自らの考えを口にすることもあった。それは、今日の活動の原点だと見ることもできる。

ラジオドラマの脚本がNHKで賞を受賞…2010年代は超売れっ子文化人に

『サンデーモーニング』出演は11カ月と短かったが、それから数年を経て、中江にまた転機が訪れる。きっかけとなったのは、出演する予定だった映画の企画が頓挫したことだったという。大の読書家で文章を描くことが好きだった中江は、予定外のスケジュール空白期間を利用して、ラジオドラマの脚本執筆に挑戦する。そして、完成した作品『納豆ウドン』が、2002年にNHK大阪放送局主催「BKラジオドラマ脚本懸賞」で入選を果たすのだ。

 以後、文筆の分野で中江の名声は徐々に高まっていく。雑誌や新聞へのエッセイの寄稿を始め、2006年に初の小説『結婚写真』(小学館)を刊行。また、主に短編ドラマの脚本を手掛けるようになる。他方、2004年から書評番組『週刊ブックレビュー』(NHK衛星第2テレビ)にレギュラー出演することで、読書家ぶり、博識ぶりが広く知られることになる。そこから、書評や書籍の解説などの仕事が次々に生まれていく。

 その後、法政大学通信教育部文学部で日本文学を本格的に学び、同学在学中には2作目の小説『ティンホイッスル』(角川書店)を発表。2010年代になるとコメンテーターとしてのテレビ出演、講演会の開催やシンポジウムへの参加が増えていった。さらに、そうした活動への評価からか、2010年代後半にはさまざまな組織や団体の委員、理事の類への就任依頼が相次ぐ。彼女が歴任したのは下記の通りである。

▶TBSテレビ番組審議会委員
▶公益財団法人 ブルーシー・アンド・グリーンランド財団理事
▶産経新聞報道検証委員
▶放送大学放送番組委員会委員
▶公益社団法人日本文藝家協会評議委員
▶天理大学客員教授
▶一般財団法人 社会変革推進機構評議員
▶文化庁文化審議会委員

 中江が、歴代アイドルが未踏の領域に達しているのは明らかだ。その評価は、高い向学心、長い時間をかけた学究や、思考力の研鑽に立脚したものだろう。 

 テレビのコメンテーターとしては「無難なことしか言わない」といった声も一部にあるが、たとえば産経新聞報道検証委員としては、同紙の報道姿勢について辛辣な意見を堂々と述べたこともある。それは、付け焼刃でできることではない。

 しかし、驚くべきなのは中江が近年、歌手活動を再開させていることだ。2020年、コロナ禍が深刻化する直前にライブを開催し、配信シングルや配信アルバムをリリース。2021年3月にも配信ライブを行ったばかりだ。有識者として官邸からお墨付きをもらう立場となっても、彼女の原点はアイドルなのである。

(文=峯岸あゆみ)

●峯岸あゆみ(みねぎし・あゆみ)
CSと配信とYou Tubeで過去のテレビドラマや映画やアイドルを観まくるライター。ベストドラマは『白線流し』(フジテレビ系)、ベスト映画は『ロックよ、静かに流れよ』(1988年、監督:長崎俊一)、ベストアイドルは2001年の松浦亜弥。

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