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ワタベウェディング、なぜ経営危機で私的整理に?優良な財務→1年で債務超過に転落

文=編集部
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 しかし、千趣会とワタベは対立。ワタベの創業家出身の3代目、渡部秀敏会長が18年秋、取締役会でMBO(経営陣が参加する買収)を提案した。千趣会はインターネット通販に押され、主力のカタログ通販の収益が悪化、経営危機に陥っていた。MBOで千趣会と縁切りする予定だったが、渡部会長はMBOのための資金調達に失敗、19年になってMBOを取り下げた。内輪もめをしているうちにコロナ禍に見舞われた、というのが実情だ。

 事業再生ADRを申請して経営陣は総退陣。興和の完全子会社になることを決定した。金融機関の支援を得るための条件が経営刷新だったとみられる。ワタベを完全子会社にする興和は、名古屋市に本社を置く非上場企業。外用鎮痛消炎剤「バンテリン」や胃腸薬「キャベジンコーワ」をはじめとした医薬品が主力事業で、20年3月期の連結売上高は4225億円。昨年、“アベノマスク”を受託生産したことで一躍有名になった。

 興和のホテル事業の年商は132億円だ。地元で老舗の「名古屋観光ホテル」を運営。19年にはハワイで高級ホテルを開業しており、現在、ホテルナゴヤキャッスルの建て替えを進めている。ホテル部門を強化中で、自社のホテルで挙式まで直営で行う。

前澤効果”で一時、株価が上昇

 20年12月末時点の大株主名簿を見ると、ZOZOの創業者だった前澤友作氏が9万3200株(0.94%)を保有し、第8位の大株主として登場している。6月末の持ち株は3万4400株だったから2.7倍に急増。5万8800株買い増したことになる。“前澤効果”で3月9日、ワタベの株価は値幅制限の上限(ストップ高)となったのを皮切りに3日間で52.8%も上昇した。

 しかし、事業再生ADRの申請を受けて、3月19日の東京株式市場でワタベ株は売買開始と同時に79円(19.4%)安の328円まで急落。352円(55円安)で終わった。3月22日も続落し、287円で引けた。最安値は278円(74円安)。

千趣会も婚礼事業を売却

 千趣会は3月23日、婚礼事業を投資ファンド、CLSAキャピタルパートナーズに売却すると発表した。地方を中心に婚礼事業を進めてきたディアーズ・ブレイン(東京都港区)と大阪府内で式場を運営するプラネットワーク(大阪府吹田市)の子会社2社を3月末に売却する。売却額は明らかにしていない。

 千趣会は2021年12月期の連結最終損益が11億円の黒字(20年12月期は39億円の赤字)になりそうだと、同日発表した。従来予想の20億円の黒字から下方修正した。子会社の売却で21年12月期の連結売上高は20年同期比9%減の760億円になる見込み。従来予想から150億円引き下げた。

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