NEW

ビジネスモデルは関係ない!? 危機を乗り越える会社に共通する特徴とは

新刊JP

松岡:3社の危機を具体例で説明すると、リクルートでは1988年にリクルート事件が起きました。あれほどの教科書にも載るような事件を起こした会社で、現在も成長し続けている会社はなかなかないと思います。私も当時社内にいましたが、ものすごく世間から叩かれましたね。


 ユニクロも2000年、2001年と毎年売上を倍増させるほど伸びたのですが、その直後、逆風が吹いて急激に売上が下がってしまいました。でも、その危機を乗り越えて成長を続けています。


 ソフトバンクは危機というわけではないのですが、積極的投資を進めて1000億円近い赤字を3年出し続けたことがあります。Yahoo!BBを始めた頃ですね。私が入社する前の話ですが、全社的な緊張感は高かったようです。でも、それを徹底してやり抜いたのが、ソフトバンクの力なんですよね。


 こうした経験を通して言えることは、まずは日頃から「理念」を共有ができているかどうかがすごく重要だということです。リクルート事件のときは電話をかければすぐに切られるし、飛び込み訪問したら塩を撒かれるくらいの勢いで拒絶されました。そんな中で私たちが考えていたことは、社名は関係なく自分たちの事業はどんなことがあっても残すということでした。それは自分たちがやっていることは、絶対に社会のためになるという覚悟があったからです。


――それが先ほど言っていた「社外規範への共鳴」という点ですね。


松岡:そうです。自分たちが事業を通して成し遂げようとしていることに本気になっている。だからこそ、会社は危機を乗り越えられたのだと思います。逆に言えば、会社の看板がなくても仕事をするぞという覚悟です。


 また、「社外規範」への共鳴とともに、社内で理想とされる行動や考え方、つまり行動指針である「社内規範」への共鳴もありました。リクルートの社内規範である「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という働き方に共鳴していたんですよね。


 これは、ファーストリテイリングもソフトバンクも同じでした。世の中を変えるという社外規範があって、そこにコミットメントしている。だから危機を乗り越える共通ポイントは何かというと、「社外規範」と「社内規範」への共鳴が大きな1つとしてあげられます。


――その礎となるような部分がしっかりしているわけですね。そうした社内外の規範に社員が共鳴する仕組みがあったのでしょうか?


松岡:これも大事なポイントですが、上司が「理念」に則った会話や対話をしているかという視点が重要です。コミュニケーションの中で根付かせることが必要なんです。たとえば、理念で「顧客のため」と言いつつも、部下が営業先から会社に戻ってきたときに、上司が「売上は? 契約は取れたのか?」だけを聞いたら、極端な言い方ですが「騙してでも契約を取ってこい」というニュアンスになりますよね。


――確かに顧客ではなく数字だけが大事だと聞こえます。


松岡:でも、同時に上司が「お客さんは喜んでくださったか? 提案に驚いてくださったか?」と聞くと、顧客が大事だと皆が思うでしょう。だから企業理念と重なる価値観を上司が普段から問いかけているか、社員に求めているかというのは、社内の会話でわかるんです。日常の会話を聞けば、何を大事にしているかがよくわかる。


――なるほど。そうなるとマネジメント層やいわゆる上司と呼ばれる人たちの中にいかに理念が浸透しているかが問われるのではないですか。


松岡:おっしゃる通りです。トップだけがメッセージを発していてもなかなか浸透はしません。幹部全体もそのメッセージを発信し、さらにその下のマネージャーに浸透させていく。上から順に腹落ちさせていくということは、すごく重要です。


 その時に鍵を握るのは、幹部やマネージャーの価値観が一枚岩になっているかどうかですね。例えば、岐路に立った時に右にも左にも行けるけれど、うちの会社は右を選択するよね、という価値観を共通して持っていると、会社はすごく強くなります。


後編(※外部サイト「新刊JP」)はこちら


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

情報提供はこちら

RANKING

23:30更新
  • スキル・キャリア
  • ビジネス
  • 総合