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宮城県、「まん防」と国の大型観光企画「東北DC」同時強行の愚行…地元観光業者が悲鳴

文=編集部

 加えて今年に入って東北でのコロナ禍は深刻化の一途をたどった。3月中旬から下旬にかけて宮城県、山形市が独自の緊急事態宣言を発令。各参加自治体はDCのオープニングイベントを中止する事態に追い込まれた。結局、今月1日に予定通り行われたのは岩手県のJR盛岡駅と青森県のJR新青森駅2カ所のみにとどまった。

観光列車のダイヤでキャンペーンの時期はずらせない?

 DCの自治体担当分の総事業費は東北6県と仙台市で計7億円。財源は各自治体の一般財源、つまり税金だ。一連のキャンペーンで、今年3月16日時点で、コロナ禍前の2019年4~9月の観光入込客数5832万人回(東北6県計)、延べ宿泊客数2307万人泊(同)を目指すが、前出の仙台市の観光事業者の話すとおり、大きな書き入れ時であるゴールデンウィークの見通しは明るくない。

 今回のDCを岩手県出身の首都圏在住、大手広告代理店社員は次のように分析する。

「大きな声では言えませんが、このタイミングでの広告企画の強行は、東北のイメージ的にプラスになるのか疑問に思っています。JR東日本さんが観光列車のダイヤを組んでしまっていることもあって、柔軟な計画変更ができなかったようです。しかし、このタイミングでの強行は悪手でしょう。

 またマスコミの影響も大きいのですが、首都圏在住者には東京都で感染が拡大していた時、東北各県が『こっちに来るな』と主張していたイメージが色濃く残っています。実際、私も昨年、岩手県内の親族に不幸があったのですが、葬儀出席のための帰郷を拒否されました。

 それが一転、今度は感染拡大中の東北に、『首都圏から旅行に来い』というメッセージを発しているように見えます。矛盾が際立ちますよね。

 実際の東北の人たちの考えとは違うのかもしれませんが、広告で伝わるのはあくまでイメージです。DCの運営は『感染が拡大しているのは仙台市など都市部だけ』と主張するのかもしれません。しかし、それは『首都圏』とひとくくりにされて、満足に帰省できなかった我々も、当時まったく同じことを考えていたものです。目まぐるしく状況が変化するなかで適切な広告を打つのは非常に難しいことですが、慎重に事を運ぶべきです」

インターネットで「東北の今」を発信するというが……

 円滑な滑り出しとは言いがたい況に対し、東北デスティネーション・キャンペーン推進協議会(事務局:一般社団法人東北観光推進機構)の担当者は次のように語る。

「ご旅行にいらっしゃる方も、いろいろな意味で慎重に対応されていらっしゃいますし、受け入れ側のホテルなども1年前から検温システムやアクリル板の導入、消毒対策をされてこられました。協議会としては今後も柔軟に対応していきます。そもそもDCはイベントを開催することが目的ではありません。新たな観光素材の掘り起こしや、その発信が主眼の一つです。

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