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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

タリーズ、コメダのお膝元で名古屋めし発売の狙い…持ち帰りに注力、コッペパンでも大激戦

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

店舗数で競う「コメダ」の本拠地に殴り込みなのか

 人口約230万人の名古屋市は、コメダ珈琲店の本拠地(本社は同市東区)でもある。

 実は、国内のカフェ店舗数で、タリーズとコメダは競い合う。長年、タリーズが上位だったが、コメダが拡大。最新の店舗数(いずれも公表数値)は、コメダが873店(2020年2月末)、タリーズが767店(2021年3月1日)だ。

 ちなみに、店舗数1位は「スターバックス コーヒー」で1628店(2020年12月末)、2位は「ドトールコーヒーショップ」の1081店(2021年2月末)。国内のカフェチェーンで1000店を超えるのはこの2ブランドだけで、コメダは3位、タリーズは4位となっている。

 そのコメダの本拠地に「タリーズが名古屋めしメニューで殴り込み」なのかと思い、聞いたところ、こんな答えが返ってきた。

「競合としてのコメダさんは意識していますが、基本的な立地や客層は異なります。タリーズが出店するのは、大都市でも駅前のビルイン(ビル内店舗)がほとんどです。客層も女性客が多く、若い大学生や会社員にも多くご利用いただいています」(同)

 最近はコメダも都心型店やビルイン店が増えたが、もともとコメダが得意なのは「郊外型店」で、客層は「家族客や年配客」だ。逆に、大型駐車場を完備した一戸建てのタリーズ店舗や、新聞を広げながらタリーズ店内で飲食する年配客、の姿はイメージできない。

 ちなみに「名古屋駅、タリーズ」で検索すると「大名古屋ビルヂング店」などが出てくる。2016年3月に大型商業施設・オフィスビルとしてリニューアル開業した同ビルは、名古屋駅前の超一等地にある。ビル内にあるタリーズは、コメダ店内の雰囲気とはかなり違う。

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リニューアルされた大名古屋ビルヂング(2015年、筆者撮影)

「新たな人気商品」をつくりたい

「限定商品の狙いはそこ(対コメダ)ではない」という柳生氏に、今回の“名古屋めし”の位置づけを聞いた。

「送り手側としては、新たな人気商品を育成したいのです。これまでの『RETRO TULLYS COFFEE』では実績があります。たとえば、2015年に北海道で発売した『タリーズ スノーマン ラテ』は大ヒットし、2017年と2018年には期間限定で全国展開商品に昇格、2020年1~3月には、山陰・北陸エリアの『タリーズ スノーマン パレード ラテ』という限定商品でも販売しました」

“名古屋めし”といえば「溶き卵を敷いたナポリタンスパゲティ」も有名だが、今回の商品には入っていない。

「アフターコロナを意識して『個包装で持ち帰り』できる商品に絞りました。タリーズはパスタメニューも支持されていますが、今回はパンメニュー中心となっています」(同)

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「スノーマン ラテ」商品も進化した(提供:タリーズコーヒージャパン)

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23:30更新
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