競馬界に実在した怪しい人たちの正体…ウインズの未来が見える予想屋、オケラ街道の詐欺の画像1
中山競馬場(「Wikipedia」より)

 春のG1シリーズを迎えるも、コロナ禍で競馬場通いがままならない。中山競馬場の近くに住んでいるのに、生のレースが目にできないのは何とも寂しい。同じような思いのオールドファンも少なくないだろう。

 この時期になると思い出すのが、競馬場界隈に出没した「怪しげな人々」だ。春のG1シーズンで入場者数が増えるのを見越してか、「いったい何者だ?」と思う輩が多かった。

オケラ街道に出没する「カモネギ屋」

 その昔、中山競馬場に通じる道は通称“オケラ街道”と呼ばれていた。競馬で負けたファンが肩を落として駅に向かうルートである。

 今から30年ほど前。万馬券を当てた帰り道の京成線東中山駅手前の商店前で、4名の男たちが輪をなしていた。ふと見ると、1から5まで数字が書かれた円形の台があり、その上に矢印のついた棒がある。男たちは1000円札や1万円札を数字の上に置いている。自分が1に賭けて、回された棒が1の上で止まると「的中」で、賭け金が3倍になるという仕組みだ。

 興味本位で「3」に1000円を賭けると的中。真ん中の男から3000円を渡された。その後3回賭けるもハズレが続き、やめて駅に向かおうとしたところ、参加者の男が寄ってきて「あのゲームの勝ち方を教えてやるよ。俺と同じ数字に賭けな。ハズレが続いても辛抱強く賭ければ、トータルで勝てるぞ」と耳元で囁いた。

 男に言われるがまま賭けてみると、5回目に当たった。8000円賭けてリターンは6000円。2000円のマイナスだ。どうしようかな、と思っていると、私に囁いた男が棒を回す男に視線を送ったのを目にした。

「こいつらツルんでるな」と感じた私は、またも立ち去ろうとしたが、先ほどの男が再度駆け寄ってきた。財布の中にあった所持金を見られていたのだろう。あまりにしつこいので「カモならほかにもいるだろ。しつこくするとサツに連絡するぞ」と言うと、男たちは脱兎のごとく散り散りになった。

 それ以来、私は男たちを「カモネギ屋」と呼んだ。年上の馬券師であるKさんいわく「あいつらは最初に勝たせて、勝った負けたを繰り返しながらオケラにさせるんだ。俺も初めて参加したとき、しつこいので『非番なんだよ。面倒かけるな』と言ってやったよ」

ウインズに現れた、未来が見える「予想屋」

 JR錦糸町駅の南口ロータリーは今やすっかりキレイになったが、昔は怪しげな人たちが少なくなかった。

 改札を出てすぐ右に、台を置いた予想屋が座っていた。ふと見ると、台の上に先週のメインレースの馬券が並べられている。1万円分購入した万馬券だ。「すごいね」と声をかけると、「こんなのしょっちゅうだよ」などと言ってくる。おそらくは偽造馬券だろうが、最初に目にしたときは「なんであんな馬券が買えるのに予想屋などしてるんだ?」との疑問を持った。

 それよりもおもしろかったのは、小学生のときに見た「予想屋」だ。競馬好きの叔父に連れられてウインズへ向かうと、10人ほどの人垣ができていた。真ん中に司会役の男がいて、隣に目を覆い隠した男がいる。司会役が、その男に「センセイ、今、電線にハトが何羽止まっていますか?」と聞くと、「3羽!」と答えた。

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