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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(3)

ANA、CAの心身を蝕む“過度な容姿のキレイさ要求”…眼鏡着用NG、サービス要員扱い

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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 この連載の第1回で紹介したANACAの評価制度には「お客様の心に残る笑顔の発揮」という項目があることからも、CAは過度な感情労働を要求されている。上司から常に「笑顔が出ているか」をチェックされるような職場など、居心地が悪くて仕方ないだろう。なお、JALの制服はパンツルックもあり、メガネもOKだという。

ANAの女性取締役は15人中、たった1人

 さらに、経営的な観点からすると、「ANAのCA=女性」の給料が「総合職=男性」より安いことが指摘されている。ANAのホームページによると、総合職にあたる「グローバルスタッフ職」(事務)は大卒の新卒で月額21万8557円なのに比べ、CAは大卒で月額18万319円、短大・高専・専門卒では月額17万2417円と4万円程度低い。

 連載第2回で書いた通り、CAの平均勤続年数約6年半のため、「20代で寿退社か転職する前提の人事制度設計としか思えない」(20代現役CA)。50代となると基本給だけで15万円程度、男性総合職と差があるという証言もあり、生涯年収は億単位の差が出てもおかしくない。日本社会では現在でも幹部候補生たる総合職は男性、事務業務のみを担う一般職は女性というような区分けがなされている企業が多く、ANAはその典型といえるだろう。こういう会社の特徴として「女性は若さだけあればいい」というオッサン目線の人事制度設計が組まれており、経営幹部には女性がゼロかほとんどいない。

 ANAもご多分に漏れず取締役にはCAの生え抜きの女性が15人中1人のみ。執⾏役員も23人中、女性がわずか4⼈でCAの生え抜きは2人のみ。管理職のレベルでも、ANAが公表している人事関連データによれば、2020年の上級管理職は男性が676人なのに対し、女性は45人と1割以下。つまり、女性が総合職にあたるグローバルスタッフ職(事務)で入社しても経営の実権を握るような取締役につくことは非常に難しいということだ。

「CAの管理職に実質権限はない」

 さらに、CAの管理職のほとんどは客室センターというCAの統括部署に所属しているが、実質的な権限はほとんどないという。それがよくわかるエピソードを紹介しよう。以下は、ANAのベテランCAの証言。

「米国のある都市への初の就航フライトで、行きに乗務するCAのほかに、帰りの便にフライトする予定のCAが乗客の席で移動したため、現地で宿泊するCAの人数が2倍になった時がありました。ところが、会社の連絡ミスで、その人数分の部屋が予約できてなく、半数のCAが泊まれなかったんです。予約していたホテルはその日は満室だったので、結局、半数のCAはホテルのロビーで一夜を過ごすはめになりました。

 その時、 CAの管理職が同乗していたのですが、別のホテルを手配するなどの措置をしてくれませんでした。結局、管理職といっても何の権限もないんだなと思いました」

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