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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(4)

ANA、役員が夜の飲み会で“裏のCA採用活動”…超大量採用で客室業務サービス低下

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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JALもコネ入社は多いが「飲み会で採用が決まることはありえない」

 一方で、JALでもコネ入社が多いのは事実だ。赤坂祐二社長と大川順子副会長の娘がJALのCAなのは社内では周知の事実だが、それ以外で筆者が確認できただけでも、複数の幹部の娘がJALのCAとして働いている。パイロットも同様で、同じ機に搭乗することはないものの、二世パイロットも多いという。JALの現役CAによると、航空業界でコネ入社が多いことには理由があるという。

「基本的に一定時間密室で過ごすわけなので、ハラスメントやもめ事が起きやすい環境のため、⾝内が社内にいるほうが自制が効くとされてきたのです。実際、JALではパイロットでもCAでも、コネ入社の人間ほど社内で悪評が立つのを恐れて妙な言動をとることを控える傾向にあります。

 ⼀⽅で、JALでは飲み会などで⼥⼦⼤⽣に内定が出るというような話は聞いたことがありません。というのは、裏ルートや元芸能人などのステータスを使ってCAになった子は『自分の背景には幹部がいる』とか『一般人とは違う』などという妙なプライドや優越意識があるため、往々にして職場の秩序を乱す傾向にあるからで、採用段階から人事に敬遠されます」

 JALの縁故主義も問題ではあるものの、この職場の秩序を乱す⼀例として、ANAが近年地上スタッフとして採⽤した女性の元タレントを挙げておこう。この元タレントは「パイロット食いで日系航空会社の間では有名だった上、遅刻や欠勤など勤務態度に深刻な問題があった」(ANAの現役CA)という。元タレントを特別扱いで⼊社させることが企業のイメージアップにつながるという考えは浅はかだという典型例だ。

片野坂社長以降の大量採用で「JALを落ちた子の多くがANAに」

 さて、採用実態に問題があることがわかったANAだが、この最大の要因はANAホールディングスの片野坂真哉社長の体制が始まった2015年4月からのCA大量採用だ。13年9月に招致が決定した東京五輪に向けた国内、国外の増便に対応するため、14年まで6000人程度だったCAが、15年に6646人と増加し、20年にはなんと8598人と約1.3倍に増えている。 

 募集人数も異常に増え、13年以前は300~500人だったのが、五輪招致決定後の14年度に716人、15年度にはなんと1040人に急増。16年度からコロナ禍で採用がとまる直前の19年度にかけても570~740人と従来比1.5倍の高水準をキープした。

 ⼀⽅のJALは14年度から16年度は400⼈台で、18年度に640⼈、19年度に800⼈と遅れながら募集人数を拡⼤したが、五輪招致後のANAのCAの採用にかける熱意との違いは明らかだろう。この時期に就職活動したJALのCAが「JALを落ちた⼦の多くがANAに⼊社した印象で、とりあえず⾯接でまともそうなら全員採⽤されていた」と話すのも納得だ。

 このような大量採用が、先述の役員A⽒の飲み会を通した裏ルートでの⼊社をこれまで以上に許す風潮につながったとみていいだろう。先述の元タレントや、水泳選手の瀬戸大也氏の不倫相手がCAとしてANAに入社したのは、この大量採用の時期であったことも無関係ではあるまい。

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