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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

ロイヤルホスト、コロナ禍で大打撃からの復活…双日との資本業務提携で何が変わるのか

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

 福岡では知られた店も、40年前の東京では無名のブランドだったが、世田谷での成功で全国区となったのだ。なぜ、長年にわたりお客さんが支持しているのだろうか。

「時代によって多少の浮き沈みはありましたが、ロイヤルらしさを感じていただくお客さまのご支持を受けたと考えています」(同)

「大衆」に満足を与える「高級専門店」を目指した

 競合とは一線を画す「ロイヤルらしさ」について、城島氏はこう続ける。

「江頭創業者が目指したもので、(1)すべてにきちんとしていること、(2)本物を知っていること、(3)本物を現場で実現すべく努力することです。たとえば、(1)は飲食の味だけでなく従業員の身だしなみや接客、(2)と(3)には世界各国の料理を紹介する期間限定フェアがあります」

 取材時は「オマール海老&ステーキ フェア」(3月上旬~7月上旬予定)も開催されていた。オマール海老は、カナダ東海岸やプリンス・エドワード島から届いた高級食材だ。

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「オマール海老のグリルと紅ずわい蟹のクリームコロッケ&アンガスサーロインステーキ(100g)」は単品で2380円+税(店内飲食は2618円。一部の店では異なる)。
(写真提供:ロイヤルホールディングス)

 各国の料理を紹介した最初は1974年の「ハワイアンフェア」で、「夏のカレーフェア」は1983年から続く。同社の従業員にとっても、それぞれの思い出が残る。

 ロイヤルHDの吉田弘美氏(経営企画部コーポレートコミュニケーション担当部長)は「ロイホとカレー」について、こう説明する。

「『暑い国発祥のカレーで夏を元気に過ごしてほしい』という思いで夏季にカレーフェアを実施。過去に提供したカレーの数は160種類以上になります。個人的には、学生時代に宮城県仙台市の店舗でアルバイトをしましたが、当時販売された『グリーンカレー』が、ココナッツミルクの強い香りで衝撃的でした」(同)

 江頭氏と身近に接してきた城島氏は、こう続ける。

「創業者は、『大衆に満足を与える高級料理店を志向する』を掲げ、手の届く価格で質の高い料理を提供するために料理人の育成にも力を入れたのです。また、『サービスが良くて、料理がおいしくて、本当にくつろげる空間を提供する』という3本柱も大切にしました」

 上記の3本柱は、飲食業界で求められる「QSCA (Quality=品質、Service=サービス、Cleanliness=衛生、Atmosphere=雰囲気)」にあたる。

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

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