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近鉄グループの落日…近畿日本ツーリストが債務超過、鉄道も赤字、運営ホテル一斉売却

文­=編集部

 ホテルは営業を休止したこともあり154億円の営業赤字。もっとも打撃が大きかったのは旅行で261億円の営業赤字。海外旅行、訪日旅行が中止になった。子会社で近畿日本ツーリストなどを抱えるKNT-CTホールディングスは20年12月末時点で債務超過に陥った。主力の近畿日本鉄道など運輸事業は211億円の営業赤字。近鉄百貨店などの流通部門も50億円の営業赤字だった。

 1月にはKNT-CTホールディングスで希望退職を募集。3月からは近畿日本鉄道で社員の8%にあたる600人の希望退職を募った。ドル箱だった長距離路線の回復が鈍く、20年4~12月期の特急料金収入は前年同期比56%減となった。新型コロナを受けて関西の大手私鉄で人員削減を打ち出したのは近鉄が最初だった。

 伊勢志摩などのレジャーや特急への依存度が高かったことで、ほかの私鉄よりコロナの打撃が大きかった。さらにホテルの売却にも踏み込んだ。自社で開発し不動産を保有する方式でホテル事業を進めてきたが、今後は運営に特化する。8つのホテルの売却はその先駆けとなる。

 傘下の近鉄不動産は3月、日本政策投資銀行と不動産ファンドを立ち上げた。保有ビルなどを売却し400億円規模の資金を確保する。600億円と想定されているホテルの売却と合わせて1000億円規模の資金をキープし、今後進めるグループの構造改革に充当する。「一連の大リストラをやるからには、経営陣を刷新して範を示すのが先ではないか」との厳しい指摘が社内外から出ている。

ブラックストーンは日本を買いまくる

 米投資ファンドのブラックストーン・グループは“日本買い”に力を入れている。20年2月、中国の保険会社から東京や大阪など大都市圏を中心に賃貸マンション220棟を3000億円で購入した。

 20年8月、武田薬品工業から一般用医薬品(大衆薬)子会社の武田コンシューマーヘルスケアを2420億円で買収した。21年3月31日、売却手続きが完了。社名をアリナミン製薬に変更した。高い知名度を誇る商品名を社名とすることでブランド力を高める。アリナミン製薬の初代社長にはエーザイの副社長を務めた本田英司氏が就任した。

 今年1月、三越伊勢丹ホールディングス子会社、三越伊勢丹不動産を300億円で手に入れた。そして、今回、国内で初めてホテルへの投資に乗り出した。コロナ禍で業績不振に陥った企業が手持ち不動産を売却するケースが増えている。ブラックストーンが次に買うのは、どの企業のどの施設だろうか。

(文­=編集部)

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