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――「習い事教室」といってもいろいろありますが、業種によって状況に違いはあるのでしょうか。
小川 「業種別」の倒産件数は、スポーツ教室やパーソナルジムなどの「スポーツ・健康教授業」が最も多く、14件です(前年同期比133.3%増)。次いで、「音楽教授業」が7件(同75.0%増)。また、「書道教授業」も前年同期の0件から2件に増えました。「スポーツ・健康教授業」は18年度の9件、「音楽教授業」は06年度の6件を超えて、すでに年度の過去最多を更新しています。
「スポーツ・健康教授業」はチームプレイの競技などをオンラインや個別で行うのが難しいケースも多く、休講を余儀なくされたことで、売り上げの減少が避けられなかったのではないでしょうか。
「音楽教授業」はオンラインで実施することも可能ですが、小・零細規模では対応が難しく、飛沫の問題で合唱や歌唱の授業も再開ができないなど、厳しい局面に立たされました。やはり、休講や生徒の退会などで資金繰りに行き詰まるケースが増えたと思われます。
一方、「外国語会話教授業」は前年同期の11件から3件(同72.7%減)と大きく数を減らしています。オンラインへの転換が進みやすい業態であり、テレワークの浸透などで時間ができた会社員の需要を取り込めたケースもあったと考えられます。
そもそも、教室側がオンライン授業を行っても、生徒側に受講するモチベーションがなければ休講や退会につながります。コロナ禍が長期化すればするほど、オンラインならではのメリットや対面より優れている点などをアピールしていかなければ、「習い事教室」の経営は厳しくなるでしょう。
(構成=長井雄一朗/ライター)
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