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「異文化」は言い訳?海外でビジネスを成功させる人と失敗する人の決定的な違い

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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 コロナ禍で気軽に海外に行ける状況ではなくなっているものの、いつかは起業して外国企業を相手に仕事をしてみたい人や、今勤めている会社で海外駐在を希望している人は依然として多いはず。

 勝手のわからない土地でのビジネスは、日本でのやり方が通じなかったり、思い通りいかないことがままある。だからこそ、海外でのビジネスは「現地文化の理解」が大切だと言われる。現地の商習慣や人々の気質、考え方を理解することでビジネスがスムーズに進みやすくなるというのは、おそらく事実なのだろう。

 ただ、『海外で結果を出す人は、「異文化」を言い訳にしない』(英治出版刊)によると、「文化の違い」にフォーカスしすぎることには、弊害もあるという。「異文化」という言葉は、失敗の言い訳にも使えるからだ。

海外でのビジネスの難しさは本当に「異文化」のせいなのか

 たとえば、東南アジアのA国でビジネスをしようとして、現地での販売拠点を作るためにその土地のキーパーソンを紹介してもらったとする。


 その人物に会ってみると確かに事情通ではあるようだが、言うことがコロコロ変わり、こちらは振り回されっぱなし。挙句の果てに仕入れた情報が間違いだったことがわかり、結果的に販売拠点設立はまったく進まなかった、という場合、うまくいかなかった理由を「A国の文化」や「A国の人々の国民性」だと考えやすい。つまり「A国では真の情報にはなかなかたどり着けない」「日本人と比べると、A国の人は発言がルーズだ」という具合である。

 もしかしたら、それは本当なのかもしれない。一方で、こちらが「キーパーソン」の選定をまちがえていた可能性が考えられていない。異文化に囚われすぎると、問題の本質が見えなくなってしまうことがあるのだ。

海外で仕事がうまくいかない原因になる「4つの壁」とは?

 では、海外でのビジネスがうまく進まない理由は一体なんなのか? 本書によると、そこには「4つの壁」があるという。

・経済やビジネスの「発展段階」の違いによる壁

 日本のように大半が「成熟産業」となっている国と、成長真っ盛りの新興国では、マーケティングや営業の手法、組織の作り方、リスクの取り方までかなりの違いがある。高度成長期の日本を知るビジネスパーソンが少なくなった今、ほとんどの人とって成長期のマーケットは未知のもの。だからこそ、この違いがわからずにつまずいた時、「文化の違いが原因でうまくいかなかった」と錯覚しやすい。

・自分がカバーする「ビジネス領域」の違いによる壁

 日本にいた時よりも多くの製品やサービスを扱う必要があったり、バリューチェーン上の責任範囲が広くなったりと、海外に赴任すると日本での専門分野以外の仕事も手がけることになるケースが多い。

 海外に来たことそのものよりも、手がける仕事の範囲が広がったことで求められる仕事の考え方や行動様式が変わり、うまくいかないことがある。これも、本人は「文化の違い」に原因があると考えやすい。

・「組織での役割」の違いによる壁

 日本の本社から海外駐在に派遣される際、日本で平社員だった人が現地法人のマネジャーになったり、部課長クラスの人が役員になったり、日本時代より一段も二段も上の役割を担うことになるケースが多い。

 本当は、その職階に応じたマネジメント経験がないから現地での仕事がうまくいかないのに、本人の口から出てくるのは「文化の違いに悩んでいる」「異文化コミュニケーションがうまくいかない」という言葉が多いそう。

・持っている「文化」の違いによる壁

 上記の3つの壁を検討してみた結果、どれも当てはまらないなら、本当に「文化の違い」が原因なのかもしれない。ただ、その時であっても国籍や民族による文化の違いが原因かどうかはわからない。

 もしかしたら相手先担当者との世代や性別の違いが原因なのかもしれないし、働き方の違いや受けてきた教育の違いなのかもしれない。「国の違い」よりも強く影響する個人的な要素は多々あるのだ。

 慣れない環境での仕事に翻弄され続けるばかりの人がいる一方で、どんな環境に放り込まれてもたくましく成果をあげる人もいる。後者に共通するのは、ビジネスがうまくいかないのを「異文化」のせいにしないこと。

 アメリカでもインドでもブラジルでも結果を出せる、ビジネスパーソンとしての真の強さを身につけるために、本書は役だってくれるはずだ。(山田洋介/新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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